私は彼らと一緒に部屋に入った
ルミナさんが連れてきたという事は悪い人ではない事は確認されていると思ったからだ
それに、廊下でネルフがらみの話をしたくないという思いもあった
部屋に入ると私は冷蔵庫からペットボトルのお茶を取り出して、コップに注ぐと蒼崎さんという方に出した

「ペットボトルのお茶ですけど、すみません」

「かまわないよ。急に来たこちらが悪いんだから」

だから気にしないでくれて良いよと言ってくれた。それはそれで安心したが

「何か私がしましたか?」

「ルミナから話は聞いたよ。あの話は本気なのかな」

どうやらルミナさん経由で私がドイツに行きたがっている事を聞いたようだ
私は今更隠す必要もないのでそのつもりですと答えた。

「どんな絶望が待っていても君は大丈夫?」

「そうでなければこんなバカなことは言いませんよ。決めたんです。覚悟を」

「君にそんな覚悟をさせるぐらいに追い詰められたのかな」

私は自分の過去とは向き合ってこなかった。だからこそ今がチャンスなのだと答えた
再び訪れるとは思えない。こんなチャンスはめったにあるものではない
いつかは向き合わなければならないなら。今するべきだと思っていた

「追い詰められたのではなく決めたんです。もう過去から逃げないと」

「どんな嫌な過去が出てきてもかな?」

きっとネルフの汚い部分を知ることになるよと彼は言ってきたが私は覚悟の上ですと答えた
ネルフの汚い部分はよくわかっている。この目で見てきてからだ。思い出したくもない記憶の一つでもあるが

「わかったよ。君にそんなに覚悟があるならドイツ行きの手はずはこちらで整えておくよ。国連軍に根回しもしておくから」

私はありがとうございますと返事をした。これでドイツへの行く道筋はついたのかもしれない
残された課題は両親になんて説明したら良いのか。第三新東京市までならともかく国外に行くのだから
隠し事はしたくないので、正直に話すしかない。だって、私のことを愛してくれているから
たとえ血がつながっていなくても私の事を実の娘のように接してくれる大切な家族だ
私はお母さんとお父さんがいるであろう本館の受付の方に行った。
するとお父さんもお母さんもどちらも受付で仕事をしていた

「今日、お仕事が終わってからでいいから大事な話があるの。お仕事が終わってからでいいから私の部屋に来てくれる?」

すると2人は私のためならできるだけ早く部屋に行くと言ってくれた
私は忙しいのにごめんねと心の中で思いながらもありがとうと言って別館の自室に戻った