私はキール・ローレンツに銃口を向けてこういった

「すべての罪を認めて自首してください」

「それはできない。私が自首したところで無駄な事だ」

何が無駄なのか。すべての真実を明らかにしたところで私の過去が変わるわけではない
でも世界に謝罪する義務はあるはずだ。これまで行ってきた罪についてきちんと謝罪が必要だ

「神の裁きなら受けても良いかもしれないな」

私に自分を撃てと言わんばかりの態度を示していた
私は神様かもしれない。でも裁きを下すのは法だ
人の罪は人が法に則り裁くものだ。私が個人の感情に振り回してしまう事は許されない

「裁くのは私じゃないわ」

すると後ろから大きな物音がしてきた。銃撃戦が展開されている様子だった

「裁きの時間です。法の裁きを受けてください」

ついに扉が開かれた。すると先頭にはルミナさんとユウさんの姿があった

「キール・ローレンツ。あなたを逮捕するわ」

ルミナさんがそういうが彼は自らの手に銃を握っていた

「私を裁けるのは彼女だけだ。法の裁きではなく神の裁きなら受けよう」

その時私は小声で思わず言ってしまった
神様なんて存在しない。そう呟いてしまった

「神様なんていないわ!」

「なぜ認めない?自らが最高の存在になった事を」

「私はすべてを失ったわ!あなた達のせいで!今さら神様に頼るなんて都合が良すぎる!」

そうだ。私はなにもかも失った。あの街でのことで過去も未来も
なにもかも失ったのに。なぜそれで最高の存在だと言えるのか
私のような存在がどれほど世界に影響を及ぼすのか
神様なんて存在が地上にあることはあってはならない。

「私を裁けるのは彼女だけだ」

「もう1度言います。法の裁きを」

私はそう言うと銃を下した。キール・ローレンツは私に銃口を向けた

「ならば君と共に。一緒に死のう」

ルミナさんとユウさんが私の前に立ちふさがった。

「相葉ユウ、久しいな。私の部下の中で最も優秀だったお前が何故そちら側についた」

その次の言葉に私は耳を疑った

「お前が碇シンジの心を壊すように仕向けたのだが。なぜその任務を果たさず逃走したのだ?」

「ゼーレの信念が正しいと思っていたからだ。だが世界を救うと言われたのが嘘だった。それに優しすぎる者を壊すのはできなかった」

だから今度は必ず守るのだと決めたんだとユウさんは言ってくれた
彼は私のことをどんなことをしても守ってくれる。私は彼のことを責めるつもりはない

「あなたを逮捕するわ。容疑はテロの首謀。法の裁きを受けなさい」

ルミナさんがそういうがキール・ローレンツは銃を側頭部に当てた
今にも発砲しようとしたときユウさんが発砲した。弾は見事にキールが持っていた銃に命中して破壊した

「お前だけは許せない」

ユウさんが小声でつぶやいた後私を抱きしめてくれた。
彼は耳元でこういった。私だけは何があっても守ると