私は必死になって彼女たちを追いかけていた。
国連軍や戦略自衛隊も彼女が持っている車ではない事から検問には引っかからなかった
そのためほとんどフリーパスの状況で通過できていた
今のところ、まだ第三新東京市にはついていないという事だが
向こうに到着されたらこっちの負けだ。もう止める事はできない
私はバイクのスロットルを全開にして猛スピードで追いかけていった
「どこにいるの?」
その時だった。路肩で止まっている車を発見
バイクのアクセルを緩めるとすぐそばに彼女の姿を見つけた。
「カオリちゃん。どうやらバレたみたいだね」
私がバイクを止めると彼も現れた
私は少し怒ったような表情で彼らに迫った
「いったい何を考えているの?」
「何って観光だよ。ちょっとした冒険付きのね」
「ルミナさん、これは私の問題です。ユウさんは付き合ってくれたんです」
カオリちゃんがどんなに言い訳をしてもこれ以上の行動を進めるわけにはいかない
私には責任がある。彼女が静かに暮らせるようにするためにあらゆる手を打つことがまかされている
必要なら軍隊も動かせる権限が与えられている。もちろん緊急時に限ってだが
「カオリちゃんは車の中にいて」
「でも」
「大丈夫。僕がうまく話すから」
そう言うと彼女は助手席に乗り込んだ。そして彼は私のところに近づいてきた
「どういうつもり?まさか第三新東京市に向かっているんじゃないでしょうね?」
「このルートを見ればわかると思うけど」
私には止める責任がある。ただでさえ彼女の身に何かあれば大事なのにこっちの警護もなしで行動されたら何が起きるか
そんなことは想像もしたくない
「戻りなさい」
「悪いけどそういうわけにはいかないんだよね。カオリちゃんのお願いを断ると思うかな?」
私は腰につけている銃のホルスターにてをやるが彼がこういった
彼女の目の前で事を起こせばどうなるかは一番分かっているはずだと思うけど
悔しいがその通りだ。彼は私を連れて少し離れたところに連れていくと不意を突く形で腹部を殴ってきた
「ルミナさん、今回ばかりはあなたには邪魔をしてほくないっていうのがこっちの本音だから」
「・・・・・・・・・覚えていなさい」
私はそこで意識を失ってしまった。
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私はユウさんが殴ったところを見て胸が痛くなったが
自分の望みをかなえるためにはもう黙ってはいられない
私は前に進むことを決めたのだ。もう後戻りはしない
「ルミナさんは大丈夫ですか」
運転席に戻ってきたユウさんに質問すると
「大丈夫だよ。それと緊急信号のスイッチを入れておいたから少しは時間が稼げる」
ユウさんはそう言うと車を走らせ始めた
目的地は第三新東京市だ