第三新東京市ジオフロント エヴァ格納庫
私はそこで2号機を見ていた。あの時の痛みは思いだすだけでも怖かった
今はママと一緒だから幸せだ。たった1つのことを除いて
水川カオリさん、私よりも年上の女性であり、シンジの今の姿
私とレイがどんなに踏み込もうとしても必ずネルフ監察局に漏れてしまう
これもすべてあの渚カオルの仕業だろう
「どうやら不機嫌みたいだね」
「あんたの顔を見るのは嫌なんだけど。何よ。わざわざ人をこんなところに呼び出して」
「ここなら盗聴の心配はないからね。君とレイさんへの伝言だよ。もし会いたいなら明日の朝にある場所でなら会いましょうと」
その言葉に私は驚いた。もう2度と交わる事のないことだと思っていたからだ
私は代償はあるのと聞いた。何もなくこんなおいしい話が来る事はない
「ただし条件があるんだよ。このことはレイさん以外に誰にも話さない。そして尾行をうまく巻くことができればの話だけど」
「会うためなら手段を択ばない。どんな条件も飲むわ」
「この携帯電話を使うと良い。盗聴されない衛星回線とつながっている」
カオルから渡された携帯電話を受け取るととりあえず感謝するわと言って格納庫を出ていった
外に出ると加持さんが立っていた
「アスカ、ネルフを裏切る事になると思うが」
「私はきちんと話がしたいの。そのためならどんなものでも利用するだけ」
私はそう言うとその場から去っていった
その途中でレイと出会った
「あなたにも朗報よ。明日、彼女と会えることになりそうだけど、このことは一切秘密。どうするの?」
レイに言うには正直どうするべきか迷った。しかし同じ気持ちを持つ者同士だ
「協力してくれたらカオリさんと会えるわ。どうする?」
「会えるなら何でも協力する」
決まりねと私が言うと気づかれないように普段と同じ行動に努める事にした。
計画が漏れたらもう2度と彼女との面会はできない。その事はよくわかっていた
私に残されている最後のチャンスだ。
「ちゃんと謝らないと」
私達は謝りたいのだ。かつてのことをいまさら謝罪したところで何も変わらないと思うけど
それでも謝りたい。そしてもしよければ関係を少しは改善したい
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第三新東京市に繋がる道
ユウさんはあれから何も話そうとしない。私も不用意に話ができなかった
彼にすごく迷惑をかけているからだ。ルミナさんに仕方がないとはいえ、あんなことをさせたこと
「ユウさん」
「カオリちゃん。大丈夫だよ。緊急用の発信機をつけておいたからすぐに見つかるよ」
私は心配ばかりしていた。それにユウさんの立場を悪くすることもよく理解していた
このままいけばユウさんは絶対にルミナさん達に目の敵にされかねない事は分かっているからだ
「もしルミナさんが何か言ってきたら私がしてほしいって言ってくれて良いですから」
私のせいにすればルミナさんも攻められないと思ったうえでの言葉だがユウさんは心配しないでと言った
「きっといつかは理解してくれるから」
そうなる事を私は願っているがなかなか難しいのが現状だ
明日の朝に会えるかどうかさえも分からないのに第三新東京市に向かっているのだから
「人ってどうして難しいんでしょうか」
「生きているからだよ。人はものを考えて生きている。策を練って常に上を目指そうとする。だから人の性質は変化してしまう」
「そうですね」