海岸の町 旅館別館 相葉ユウの部屋

僕はフィールから預かった資料をもってこの家に帰ってきた。
すでにルミナさんには連絡していた。この情報を共有する必要があるからだ
彼女にはフィールから預かった資料という情報は伏せておいたほうが良いだろう
ゼーレ嫌いのルミナさんならこの資料について疑うだろう

「どういうつもりかしら?」

「この資料を共有しようと思ってね」

僕がそう言うとさっき会っていた女性からのものねと
まるであの時の様子を見ていたかのように語った

「まぁそうなるかな。信頼できる筋だから問題ないよ」

「同じゼーレの仲間だった。それだけは変わらない事実よ」

確かに僕たちはゼーレ側にいたのだから。ルミナさんが信じたくない気持ちは理解できるしわかっている
でもこの情報が正しいなら本筋から外れた分派が現れたことは疑える

「でも今はこうやってこちらサイドの協力してくれている。武器の入手から情報の入手まで」

彼女に頼るところは大きい。僕は資料を渡すとルミナさんは表情を曇らせた

「まずい情報だったかな?」

「いえ、これは使えるわ」

「それはどちらに使えるのか教えてもらえるかな?ゼーレ、それともネルフに?」

僕としてはこの町が騒ぎの渦中に巻き込まれる事態だけは避けておきたい
だからこそ見極めが必要なのだ。慎重に、しかし確実な情報での
ルミナさんはそれについては今この状況では話せないわねと答えると資料をコピー
それをもって自宅に向かっていった。

「僕も同感だよ。この情報が正確なら身近なところに脅威がある」


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海岸の町 ルミナの自宅

「厄介なことにならなければいいけど」

私は彼から預かった資料を見て頭を痛めていた。分派がいれば大規模グループとは限らない。
小グループだけの動きだとすべてを把握するのは難しい
いくら私たちとはいえすべてを把握しているわけではない。だからこそ情報というのは貴重だ
特にゼーレ関係となると特に

「ティアに探ってもらうしかないわね」

第三新東京市の監察局の同僚であるティアに協力を求めるべき事案だ
もしこの資料がすべて事実ならまた大きな問題になる。町のセキュリティについてもだ
少数精鋭で来られるとこちらの警備は簡単に突破されるかもしれない
永遠の誓いを知らぬ者が、この聖なる領域を勝手に踏みにじられたら悪夢を見ることになる
そんなことは避けなければならない。もう1つの地獄を生み出すことになるのだから
私はすぐに衛星携帯電話でティアに連絡を取った

「ティア、動いてほしいことがあるの」