第三新東京市 ジオフロント ネルフ監察局査察部オフィススペース

「それは気になるわね」

私はそこでルミナからの連絡を受けていた。
回線が安全な衛星電話でだ。この回線を使えるのは私と局長とルミナだけだ。
暗号回線のため簡単には傍受できない。どういう仕組みかは知らないがルミナが自作したものだ
性能は極めて高い。ほとんど遅延なく会話ができる。
ネルフでも解読はできないというほどの複雑な暗号なのだということだ
おかげでこの回線はルミナといろいろと工作をするときに使っている

『そっちで情報は何かつかんでいないの?』

「ゼーレについての情報は今のところ大規模なものなら把握しているけど」

少数精鋭の分派となると話は別だ。すべてを把握することは難しい。

『できるだけ情報を集めてもらえるかしら。永遠の誓いを破らせるわけにはいかないし』

私はルミナにわかっているわと答えると通話を終えた
面倒なことになってきたと思いながらも、私はさっそく情報集めを開始することにした
その前に部長に話をした。するとすぐに情報収集と分析をするようにとの指示が出た

「最優先で調べるのよ。必要に応じて国外の支部にも問い合わせても良いわ」

シエラ・ドーレス部長からの言葉に重大案件を任されたことをよく理解した
通常なら海外支部への要請は手順を踏まなければならないのだが
それを無視しても良いということだ
カオリちゃんに何かあれば世界は壊れることになる
そんな事態は避けなければならない


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ネルフ本部保安諜報部 部長執務室

「気になる話みたいだね」

俺は渚カオル君からゼーレの分派の情報を聞いていた
こちらでもある程度の規模のものは把握しているが、
いくらネルフが強化された権力を持っているとしてもだ
すべてを把握することはできない。特にゼーレがらみだと余計にだ
下手に動けばまずいことになる。リスクは極めて高いといえる

「カオリさんにも影響が及ぶでしょう。今頃ルミナさんあたりが調整に入っていると思います」

「君の情報源はいったいどこからなのか教えてほしいものだよ」

彼はそれは秘密ですというと俺の執務室を出ていった
ゼーレの分派の問題は大きい。まだまだ彼らには影響力が残っている可能性があるからだ

「面倒事が増える一方だね。無事に過ごせると良いけど。カオリちゃん」

俺はあの海岸の町に住んでいる彼女のことを考えた。
彼女には俺は救われた。おかげで俺は幸せを手に入れることができた
彼女にすべての責任を押し付けてしまったようなものだ
だからなのだろう。俺が彼女のことを守ろうとしていることは