世界は広い。私はこの海岸の町で静かに暮らしている。
これからどうするかは私は岐路に立たされているのかもしれない
この思い出がたくさん詰まった町を出て、広い世界を見に行く
そこに幸せがあるかもしれないし悲しみがあるかもしれない
どうなるかはわからない
ようやく安定に向かっている世界に私は見ていこうと思い始めた
幸せは待っているだけでは得られない
自らの足で歩み見つけるものだ。
それがどれほど時間がかかったとしても、未来は開けるだろう
大丈夫、きっと私はユウさんと一緒なら世界を見ていくことができる
平和で誰もが幸せな世界を。それを見ていこうと考えはじめた
世界の姿を見ていく。どんなに時間がかかったとしても
私にはその義務があるのかもしれない。
世界を見ていくという名の義務が
どれだけ時間がかかったとしても私には時間がたくさんある。
平和な時間は少ししかない。人は争いをするものだ。
何故なのかについては、理由はわからない。
ささいなトラブルから戦闘、紛争に発展する
そんな世界にならない事を私は願っている
平和でだれもが幸せに暮らせる世界なら良いと思っている

「誰もが幸せに生きてほしいと願ったのに」

私はすべてをセカンドインパクト前の状況に戻したら今度は国同士で小競り合いを起こしている
平和になると信じていたのに、これでは私は何のためにあれほどの努力をしたのか
私は確かに疫病神かもしれない。私がいる事で誰かが傷ついてしまう
だからまだ救いがあるうちに、もう私がいるから家族に不幸を招くことを恐れていた
ユウさんはこう言ってくれた。決断は自分が考えた最も最良な判断だと
決めるなら今しかない。私は世界を見て回ろうとしていた
自らの意思で、そして自らの足で歩んでいこうと

世界を見るにはそれが最も最良の判断を下せるのではないか
自分の行った行為に人々が何か幸せをもって生きているのかを
それを見届けていこうと思ったのだ

「ユウさんなら協力してくれるかな」


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第三新東京市 地下ジオフロント ネルフ監察局 局長執務室

「本当にそれは安全なのかこちらとしては不安だよ」

『蒼崎局長。彼女を守るために我々が存在する。彼女が海岸の町という籠の鳥のようにいても今までは良かったのですが』

ネルフ監察局長として世界を守る必要がある
そのためにもカオリさんにはあの町で過ごしてほしいと思っている
だが、彼女は旅に出ようとしているようだ。そういった事態は避けたいのだが仕方がない
ひな鳥はいづれ飛び立ちをするものだ。新しい場所に、新天地に向かって飛び立つものだ
それがどれほど危険なことでも彼女にとっては冒険なのだ

「ルミナ。大学に入りたいなら検討はしてみるよ」

『よろしくお願いします』

第三新東京市にある大学なら監視も行いやすい。
同時に保護もだ。多くの場所にセンサーがあるからだ

「カオリさんが市内に来ればネルフには徹底的にマークされることは確実ですね」

局長室には私と渚カオルがいた。ルミナには話していなかった
彼が同席していることについては

「見張りやすい=攻撃されやすいという欠点もあります」

「ネルフサイドで動きそうな人材は?」

「レイさんとアスカさんですね。彼女たちは接触してくる可能性は極めて高いです」

私も同意見だった。彼らは答えを求めているのだ