「僕はカオリちゃんのためなら手段を選ばず守り切ってみせるよ」

ユウさんの言葉に私はかなり恥ずかしかった
ルミナさんは私の様子を見てまるで新婚夫婦みたいよと
その言葉に私は顔を真っ赤にして恥ずかしかった

「カオリちゃんが良かったら結婚しない?」

「ユウさん。私は咎人なんですよ。ユウさんに迷惑が」

「僕はカオリちゃんの事を愛しているから、カオリちゃんが結婚を認めてくれるならいつでも受け入れるよ」

その言葉にルミナさんはこんなところでプロポーズをするなんて場の空気を読んだ方が良いわよと
ユウさんはカオリちゃんに無理強いするつもりはないから考えてねと言うと私の頭をなでてくれた
思わず私は大人ですと少し強く声で言ってしまった

「本当に結婚してみたら意外と良い関係になるかもしれないわね」

ルミナさんまで結婚話を持ってくるのだ
私は恥ずかしくて仕方がなかった。

「とりあえず今度第三新東京市立大学で大学入試資格検定を受けてもらうわ。詳しい段取りは私の方でしておくから」

「ルミナさん。いつもすみません」

私はルミナさんに全責任を押し付ける事になって申し訳ない気持ちでいっぱいだった
でも外の世界で生活するのも良い事かもしれない。
この静かな海岸の町は私にとっては故郷だ。それだけは変えることができない事実である
お父さんやお母さんは私にとって大切な両親なのだ
私の事を常に心配してくれている本当の意味での両親なのだから

「気にしないで。前に進むことは良いかもしれないしね」

ルミナさんは鮭定食を食べ終わると食器を返して食堂から自宅に帰っていった
私は彼女の後姿に深くお礼をした。迷惑をかける。それはわかっている
しかもこれからはもっと頻繁に彼らに迷惑をかける事になるのだから
これは自分で決めた決断だ。誰かに強要されたものではない
だからこそ後悔はしていない

「ユウさん。ご迷惑をおかけしてすみません」

「気にしないで。カオリちゃんのためならどんなことでもやってみせるから」

ユウさんは私の頭をやさしくなでてくれた
少し恥ずかしかったけど私は嬉しかった
私を絶対に離さないでくれる人ができたから
私とユウさんも食事を終えると食器を返却すると別館の自分の部屋に戻った

「それじゃカオリちゃん。お勉強に必要な本があればすぐに教えてね」

隣町のショッピングセンターに買いに行こうとユウさんからのお誘いを受けた
神様みたいな存在である私なので知識だけはたくさんある。
別に本を買う必要はないのだけど、新しい知識を身に着けるためにも必要なこと
私はユウさんに考えておきますと返答した。とりあえず私は自分の部屋に戻ることにした
全ては始まったばかりなのかもしれない。この巣箱から飛び立つ小鳥のように
色々大変であることはわかっているが。時には前に進むことも重要なのだ