私はカバンに入っているベレッタM92を手にした
渚カオル君が何をするかわからない。
高校生で勉強の時間なのにそれを抜け出してきて何をするつもりだったのか
それに彼がここにいるということは彼をガードしている保安諜報部の職員が警護にいるはず
「少しお話でもどうですか?」
「そうね。あなたがどんな話をするのかについて次第ね。私に聞く意味がないと判断したらもう帰るから」
「レイさんやアスカさんにもう1度会ってもらえないかな?」
何を言うかと思ったら、何を今更。本当にバカげたことである
「私に何かメリットがあるのかしら?残念だけどあなたに利用されるつもりは嫌だから」
「僕としてはあなたと穏やかに話をしてほしいだけなんです」
アスカさんとレイさんの2人はルミナさんを殺そうとした。
本当なら犯罪として処罰されるはずなのにネルフが強権を発動してもみ消した
汚い連中だ。自分達にとって不都合な事実をすべて抹消する
ただし私も彼に銃弾をプレゼントしたので強くは言えないが
「私はもうネルフと関わるつもりはないのよ」
私がそう言うとルミナさんがいつでも腰のホルスターから銃を抜けるようにしていた
いつでも攻撃できるようにとの対応に。それでも彼は少しだけ時間を良いですかと
私は仕方がないということで話を付き合うことにした。
トラブルだらけにされて、ここでの生活が窮屈なものになるのは嫌だから
「ルミナさん。付きまとわれるのは嫌なので少しだけ話をします」
私の言葉にルミナさんは驚いていた。
渚カオル君と一緒に話をするために展望台に設置されているイスに座った
「それで、あなたはどうしたいの?『僕』の存在を明らかにしてネルフやゼーレに恩を売るつもりなのかしら?」
渚カオルは私が『碇シンジ』であることを知っている限られた人物の1人だ
彼は何を目的に話しかけてきたのか。私にはそちらの方が気になる
「僕にはそんなつもりはないよ。ただアスカさんやレイさんにもう1度会ってほしいだけ」
彼に言葉に私は正気なのかどうか疑った。なぜそこまでする必要があるのか
「私があなたを殺そうとしない理由は分かっているの?」
「どういう意味かな?」
知らないほうが幸せな事もある。彼らが真実を知るチャンスはもう失われている
何度も言うが彼らはすべての罪をゼーレに押し付けて自らは英雄気取り
酷いなんてものでは説明できない。おまけに『僕』まで利用とするかもしれない
そんな奴らを守る義務はない。裁きが必要なら私はどんなことを使っても良い
「『碇シンジ君』は正しき正義が行われることを期待していたのに、あなたたちネルフはそれを踏みにじった」
自らはクリーンな組織だと偽りの服を着用している。そんな連中が正義の味方だと大々的に宣伝している
碇ゲンドウは碇ユイを取り戻すために様々な事をしてきた
汚いことも。確かに時には汚れた道を歩むときが必要かもしれない
でも碇ゲンドウはやりすぎた。
碇ユイを取り戻すためにすべての人類を巻き込んだサードインパクトを起こそうとした
事実おこす寸前までは行ったが最終的には私が介入した