「面倒なことになりそうね」

ルミナさんの言葉に私もそうですねと同意した
トラブルと私はどうやらかなり縁があるようだ
それにしても第三新東京市で攻撃してくるとは根性がある
狙いは私だろう。問題襲ってきた連中。ネルフでないならおそらくゼーレだろう
だが彼らもそれなりに報復を受けて今は国際司法裁判所で裁判を待つ立場のはず
それをどうにかするために私に攻撃してきたのかもしれない

「カオリ。あなたは確かに神様に近いかもしれないけど、優しい人であることを忘れないで」

「私が優しいのかどうかは人によって変わると思いますけど」

私はすべての人に優しさを切り売りしているわけにはいかない
時には非情な決断が求められる時もある。私は決めようと決断する直前にヘリが接近してきた

「国連軍が来たようね」

ルミナさんの言葉にこの街はやはりネルフのお膝元なのだと実感した
ネルフは表向きは国連の管轄。でも実際は国連とネルフは同格扱いにされている
ネルフの方が強いことを彼らが良く知っているから

「私を守るためですか?」

「局長が動いたのかもね。意外と面倒見が良い人だから」

ルミナさんは自分が信頼できる数少ない人間の1人だからと言った
ネルフに首輪をつけるために設置された監察局。
彼らにとって私の存在は扱い方が難しいことは簡単に想像できる
ネルフの汚い過去を知っている数少ない人間であることはきっと彼らは知っているはず
ルミナさんが『僕』の過去を知っているとなると
彼女の上司であるその局長さんが知っていることは容易に想像できる

「でも、ルミナさん達に迷惑ばかりかけて本当にすみません」

「遅かれ早かれこうなることは分かっていたわ。あなたは前を向いて歩きだした時から」

「ルミナさん。私は後ろばっかり見ていると思っていたんですか?」

私の言葉にルミナさんはあなたは切り替えるのには時間はかかるけど、
スイッチが入ったら、驚くようなことをすることは分かっていたわと言った
確かにそうかもしれない。切り替えるのに私は時間がかかった
いつかは前を向いて歩かないといけない時が来るかもしれない
でもそれがいつになったらそうなるかは誰にもわかるはずがない
それは私であっても同じである。突然思ったのだから
あの海岸の町から外の世界を見てみたいと

「私はどこに行っても迷惑という名の負の遺産をまき散らす存在なのでしょうか」

ルミナさんはそれは私が悪いわけではないと
ネルフと繋がりがある人物はこういう命運になることは当然なんだからと
確かにドイツでゼーレのトップであるキールさんと会った時からこうなる事はある程度は想定していた
ゼーレを壊した人間なのだから。私は。
国連軍のヘリから次々と兵士が下りると私達を襲ってきた連中は次々と制圧されていった
私はさすがは戦闘のプロは強いと思った

「今日はもう帰った方が良いですね」

私の言葉にそれは当然のことねとルミナさんは言った