私とルミナさんとユウさんは一緒に夕食を食べていた
「勉強は順調なの?」
ルミナさんの質問に私はそれなりにと返事をした
「やっぱり部屋を交代しない?男女の組で勉学よりも恋愛に走るかもしれないし」
私は思わずルミナさんの言葉にドキッとした
第三新東京市に移り住むときだけでもルミナさんとユウさんは喧嘩をしたのだ
もちろん喧嘩と言ってもどちらが私を守れるか護身術などの体力勝負で
結果は言うまでもない。今、私がユウさんと一緒に同居しているからルミナさんは負けてしまった
私はその時のルミナさんのかなり悔しそうな表情を覚えている
ルミナさんの表情を見て思わず罪悪感を感じるほどに。
「私は恋愛よりも勉強の道を選んだつもりなんですけど」
「何度も言うけど男は獣よ。愛している人物のためなら何をしてくるかわからないわ」
ルミナさんは今からでも変わりましょうと言うが、ユウさんも負けていなかった
「ルミナさんもカオリちゃんと楽しい一時を過ごすかもしれないけど」
「それって私とカオリと恋愛をすると言いたいの?」
ユウさんは可能性は0ではないと思うけどという
確かにどちらとも言い分としては当たっている。
別に私は女性同士の恋愛について否定はしない。
人というのはそれぞれの価値観があるのだ。誰が誰と恋愛しようと個人の自由だ
私は同性の恋愛だって当たり前だと思っている
「私がカオリを汚すことなんてありえないでしょ。そんな事をしたら海岸の町のカオリの両親に顔向けができないわ」
ルミナさんはあくまでも中立的な立ち位置でいるのだからとのことだ
「僕だって守るようにって言われているからね。それにここで襲撃しかけてくる連中は限定されてくるよ」
ネルフのおひざ元である第三新東京市で襲撃を仕掛けてくる連中はかなりの命知らず
確実に仕留められることは分かっているはず。
捕まれば拷問にかけられてどういう組織でどれくらいの規模があるのかをネルフは徹底的に調べるだろう
もしくは監察局が動くことも想定される
ルミナさんが私を守ってくれているということは監察局による監視が入っていることは容易に想像できた
監察局やネルフにとって私の立ち位置がどれほど微妙な物かはよく理解している
それだけに慎重な対応が必要なのだ
するとルミナさんは私の方を真剣なまなざしで見て言った
「カオリ。もし男に傷ものにされそうならこのボタンを押して」
ルミナさんは私がどこにいても位置情報が送られてくるからと
はっきり言うとかなり心配症である。私は大丈夫だと思いますけどと答える
「用心はしておいた方が良いわ。何があるかわからないのだから」
ルミナさんだけでなくユウさんも受け取っておいてもらえると安心できるよと同意するかのように話を進めた
私は2人に抵抗するのは無理であると判断した。
それにこれを持っているだけで安心できるというなら受け取ることにした
「キーホルダーに着けておきますね」
私はそう言うとこの家から外出する時に使う自宅扉の鍵が付けられているキーホルダーにつなげた