私のいたずらが失敗して逆に恥ずかしくなってしまった。

「カオリちゃん。意外と弱いんだね。こういうイタズラは」

ユウさんは少し笑っていた。意外に一面が見れたことで
そこで私はユウさんにちょっとしたいじわるをした

「ユウさんだっていろいろありますよね?隠し事は」

人には誰だって隠し事はある。それは私も『僕』同じだ
私の方がもっと罪深いかもしれないことは確かだけど
罪の重さを決めるのは私ではなく法律なのだ
私の場合は少し事情が異なることは分かっている
だって私は『神様』みたいな存在なのだから

「僕の場合はカオリちゃんを守る事がここに住むときにカオリちゃんの両親に頼まれたことだからね」

私が怪我をしようものなら飛んでくるよと。
確かにお母さんとお父さんは仕事よりも私のことを優先してくることはわかっている
だって、両親は私のことを本当に心配しているから。
毎日、1日1回は携帯電話で連絡を取り合っているから、愛情を感じている

「それにしても平和な街ですね。かつてとは大間違いです」

あの使徒と戦っていた時と異なり、今のこの街は静かで平和な街である
かつてのあれだけの悲劇がまるで嘘のように
私としてはそれは良いことだと思っている
過去に囚われているだけでは未来を見る事はできない。
未来を見るためには過去を見て、それが判断材料としていくべきだ
将来の選択は強制させるものではないはず

「本当に静かです」

「カオリちゃんは静かなところが好きだからね」

「そうですね。仮に一緒にいるならユウさんやルミナさんのような信頼できる人でないと」

私の言葉にユウさんは信頼しすぎることが怖いのかなと聞いてきた
それは当たっているのかもしれない。
今もどこかで信頼しすぎることでの影響を警戒しているのかもしれない
信頼していた人に裏切られるのはもう2度と嫌であるから、なおさらだ
今度ばかりはもう嫌なのだ。負けるわけにはいかない。
もし欺かれるようなことがあるならそれを見抜いて真実を聞き出す。
それができないと私は大切な友人や家族を失うかもしれない
迷う暇はない。私の影響で大切な人が傷つけられたり殺される道は選べない
何としても守るのだ。

「昔、あるアニメのセリフを言っていたキャラクターに似ているよ」

今度ばかりは負けるわけにはいかない。逃げていたら世の中全てのインチキが正当化されてしまうと
ユウさんの言う通りだ。もう逃げるわけにはいかない

「そうですね」

「カオリちゃん。今は助けてくれる人も時間もたくさんあるからゆっくりと歩みを始めると良いと思うよ」

ユウさんやルミナさんという最大の防御手段がある
でも2人にもしもの事があったら私はどんな行動をするか
それはそういう時にならないと分からないだろうけど