私は今日はもう寝ますねとユウさんに伝えた
最近勉強ばかりをしているから疲れてしまう。
頭の体操には良いかもしれないけど

「おやすみ。カオリちゃん」

ユウさんはそう言うとまだする事があるようでノートパソコンで何か作業をし始めた
私は特に気にすることなく自分の部屋に戻るとベッドで横になった

「本当に疲れることばかりです」

私はそんなことを愚痴りながらも睡眠に入ろうとした。
だがその時、この家の玄関のインターフォンが押された
誰かは私が『神様』だからすぐにわかった。渚カオルだ
私はベッドから起き上がると壁にかかっているリュックサックからベレッタM92を取り出した。
自室を出るとユウさんも銃を素早く組み立てていた。

「カオリちゃん。念のため警戒を」

ユウさんがそういうので私はいつでも発砲できる状況で待機した
渚カオル以外には周囲には護衛役をしている加持さんがいた
またしても面倒なことになりそうだ
ユウさんは銃を構えながら玄関のドアを開けた
私も銃口を玄関に向けて構えていた。いつでも撃てる
ドアの向こうの廊下には渚カオルと加持さんがいた

「どういうことですか?」

「君に会いたくてね」

渚カオルのその言葉に私は頭痛の種が増えてきたと感じた
この街に住んでいれば少ない可能性ではあるが、
接触することが増えるかもしれないということは分かっていた
しかしだ。ここ最近の数があまりにも多すぎる
はっきり言って迷惑でしかない。もうあの頃の『僕』は存在しない
今はもう違うのだから。それにすでに2回目だ。
この街に引っ越しをしてから彼と接触するのは

「いったい何の用事なのですか?そもそもお子様はもう寝ているべき時間だと思いますが」

「それは申し訳ないね。どうしてもと頼まれてね。さすがに彼に脅されると抵抗するのは俺には難しくてね」

加持さんはどうやら私のこの現住所を渚カオルから聞き出すために利用されたようだ
どこまでも強引を貫く人間なのかそれとも自分勝手な人間なのかと思った
結局のところ、渚カオルも組織を利用して私と接触してこようとしている
本当の本当に迷惑な話でしかない

「渚カオル君。警告はしたはずよ。お互いのためにもこれ以上介入するのはやめるようにと」

ちなみに加持さんも責めるべきなのだが。
今後の事を考えると文句ばかりを愚痴るわけにはいかない
難しいものであることは間違いない
事を大きくする事は私としても『僕』としても望んでいない

「アスカさんやレイさんと再度面会しろというなら私はお断りよ。もう彼らはその資格を失っている」

確かにあの最後の時に私がアスカさんが眠っている病室で行った行為を正当化するつもりはない
でも彼女によってルミナさんが負傷して、私の大切な人を傷つけた
それは絶対に許される行為ではない。だからもう再会などするつもりはなかった