私はその後も渚カオルと話を進めていくが、
彼の求めているのはアスカさんとレイさんと会ってほしいという事だ
そんな身勝手な事を認めるわけにはいかない。絶対に

「今になって都合の良いことを言わないで。ネルフもゼーレが犯した罪をすべて背負っているのよ」

なのにネルフは自分達の立場が強固になるように様々な裏工作をしてきた
時には私ですら利用しようとしていた。
そんなことを『僕』が容認するわけがあるはずがない

「渚カオル。彼らにはこう伝えることね。次に私の前に立ちふさがるなら命はないと思うようにと」

私には覚悟はできている。
必要なら邪魔なバカみたいに大きな障壁であっても破壊するほどの覚悟が。全てを失う覚悟はできている。
私にとって大切なあの海岸の町を守れる保証さえ得ることができるならどんな連中とも取引する
だがその取引をした相手も殺すことも実行する。
私にとって大切な海岸の町を。そこで私と優しく触れ合ってくれる街の人たちを守るためには、
どんな邪魔者や妨害拘束してくれるような人物を排除することが必要なのだ
ルミナさんはきっと私の計画に賛同してくれると想定できていた
ユウさんもきっと賛同してくれる。だってユウさんは私のためにかなり危ない橋を渡っている
私は今の大切な『家族』を守るためにはどんな方法でも手段でも取る

「あなたたちは殺されても文句を言えないのに、生かされていることに感謝するべきよ」

私は何度も繰り返して言っているセリフで、あえて強気に出た。
これ以上の妨害工作はされたくない。私の行動1つで多くの人の人生が変わるかもしれない。
大切にしてくれている海岸の町のお父さんやお母さんを守るためには手段を問わない

「もう私は誰かの影響を受けて流される生き方をしたくないのよ」

あの頃の『僕』に戻る事は絶対にしたくない。
いえ、することは絶対に認めない。私は今のこの静かな生活を満喫している
もうネルフによって縛られている仮初な平和などに興味はない

「渚カオル。あなた達は神様から唯一許される道が残されていたのにそれすらも踏みにじった」

覚悟しておく事ねと私は強く彼に圧力をかけた
一線を越えるだけの覚悟はできているのだから。
守るものがある私はどんなことをしてでも守り切ってみせる
例えそれが大きな組織であっても単独で破壊することを実行する
大切な人はもう失いたくない。家族なのだ。仮初の家族ではなく本当に愛し愛されている家族
だから絶対に失いたくないし、失うくらいならどんな手段を使ってでも取り戻す
利用できるものをすべて利用して。必要なら私は自らの体を差し出しても良いというほどに覚悟はできている
失ったのなら奪い返して見せる。必ず。だけどそのことにネルフは絡んでいく事は嫌な話だ
彼らから恩着せがましく利用されるのは、どこかで後悔するかもしれない
それは避けるべきことである。