渚カオル君達が私達の部屋から出ていくと私はリビングでため息をついた

「本当に面倒です」

私の独り言にユウさんはカオリちゃんは本当に底抜けのお人好しだねと答えた
確かにそうかもしれない。でもその道を進まないといけない時がある
なら仕方がないが、その道を行くしかない。

「ユウさん。一応ですけど、私はもう彼らと関わらないと決めたんです」

でもユウさんは『私は最後のところで彼らを守ろうとしている』と
私にも時にはそういう時があるかもしれない。
そんな事がならないほうが良いのだが。

「一応決別しているつもりなんですけど」

「それでもカオリちゃんは優しいからね。敵に対しても殺すことを選ばないと思うけど」

実はユウさんとルミナさんの指導で格闘術の鍛錬を受けている
鍛えておいて損はない。銃の訓練は監察局の銃火器訓練施設を使わせてもらっている
さすがに市警察で受けるわけにはいかない。そのためネルフ監察局の施設を利用をお願いしていた
幸いなことにルミナさん達の口添えもあったので訓練設備の利用申請は簡単に通った
私には強い戦闘訓練を受けたユウさんがいたので適切に鍛えてくれていた
ルミナさんはそのことに少し嫌そうな表情をしていたが、ユウさんが説得してくれた
ちなみに私の銃の扱いは2人に厳しく教わっているので、まるで兵士のようだと評された
あまり嬉しくない表現ではあるが、それだけ慣れてきているということは良いことだ
いつ何時襲われるかわからないのだから鍛える必要はある

「いつも思うんです。あの時、神様のような存在になった私はどうすればよかったのか」

神様のような存在である私は好き勝手にできたはずだ。
ゼーレに属していた人間を処罰することができたはず。
でも私はそれをしなかった。理由は1つだ。確かに私は神様のような存在だったのかもしれない
だからと言って人が定めた法律を無視して勝手に処罰することは許されない
そう考えていた。人が犯した罪は罪なき人々が定めた法律によって裁かれるべきだからだ
神様だった私が好き勝手にすることは、ただの暴挙のようなやり方である
人が犯した罪は人が定めた法律で裁かれなければならない

「カオリちゃんは間違っていないよ。それに罪ばかり背負い込んでいたら重くなるだけだから」

ユウさんは私の頭を撫でた。子供のような扱いを受けた事に普段なら怒る所なのだけど
今はそんな気分には慣れていないし、色っぽい展開にならない

「とりあえず、今日は寝ましょう」

「そうだね」

私はユウさんと話を終えると寝室に入った。
とりあえず今度こそ眠ることにした。
今日はいろいろと疲れていたのですぐに睡魔に襲われた