私達は朝食を食べ終わると、私はベッドのシーツを洗濯に出すことにした
ユウさんは朝食で使った食器を洗っていた。私達は家事を分担している
まぁこれといって特別なルールがあるわけではないのだけど
お互いが得意な事をこなす。それだけの話ではある
私は家事は何でもできると思うけど栄養バランスの取れるメニューをいくつも知っている事ではない
ユウさんのメニューはいつも栄養バランスが整ったメニューである
私はベッドシーツを洗濯にかけると勉強に取り掛かるために自分の部屋に戻った
入学に必要と思われる勉強の中で全体の9割はすでに終わっている
あとは残り1割を追いつけるところである。
ちなみにユウさんの部屋にはトレーニング用の道具が多く存在する
時々利用させてもらっている。男性の部屋に私が入るのはどうなのかということを考えるが
『私』は以前は『僕』だったけど、ルミナさんに女性としての『大切さ』を言われている

「私としては別に気にしないのですが」

まだ『僕』という考えがあるからかもしれない
10年以上も『僕』でいたのだ。簡単に考えが急に曲がることはない
だからこそ真実を明らかにすることをしない。
世界の流れは人々が自ら選んで決めた道なのだ
『神様に近い私』が介入するのはいいこととは言えない

「本当ならネルフは邪魔なんだけど」

私は勉強を続けながら今度編入する予定の大学試験問題をいくつものパターンをチョイスして解いていった
いつものことではあるが、私は本当に意味で『インチキ』ができるような存在なのだ
テスト問題なんて簡単に満点を取ることができる
できれば私自身の実力が知りたいのだけど、簡単にはそうことは進まない
どうしても『神様のインチキ』が出てしまう。
こればかりは私にとってもどうすることもできない

「本当の意味で私の実力ってどういうものなのでしょう」

私は思わずそうつぶやくと冷蔵庫に冷やしているブラックのコーヒー缶を取りに向かった
海岸の町で私がいつも取り寄せていた同じブランドのブラックのコーヒー缶、
それをここでも通販で買いこんでいた。
私にとっては初めのころはまずい飲み物としか思わなかったが、
今は習慣化しているため、気にすることはなくなっている。
ユウさんからはカフェインに取りすぎに注意するようにと言われているけど
1度、習慣となっていることをやめるのは簡単なことではない
それに私は『神様』と同じような存在なのだ
人間と違って死ぬことはない。老いることがないのだから
別に私は気にすることは全くない。でもユウさんは違う
いつかは分かれる道を選ぶことになる。ユウさんは『人間』なのだから

「カオリちゃん。コーヒーかな?」

「よくわかりましたね」

冷蔵庫に入っているコーヒーが欲しいので冷蔵庫から缶コーヒーを取り出した