私はあの墓地にある『僕の墓』は区切りをつけるためにある
もう碇シンジは死んだということをしっかりと分からせるためにある
もしかしたらいらなかったかもしれないけど、私なりの一区切りなのだ
碇シンジは死んだ。だから過去ばかりを見ないで前を向いて暮らしてほしい
人の未来は人の数ほどあるのだから、過去ばかりを見ないで前を見て進んでいってくれることを願っていた
だけど現実は大きく異なることはこれではっきりした。それだけにあの墓標があることは良かったかもしれない
私は未来を見るために作ったのだから、彼らとかかわることはこれで確実に減るだろう
あとは私が未来を見ながらゆっくりと歩いていく
どんなことになるかがわからないから誰もが挑戦するのだ
私とユウさんは墓地から出るとルミナさんが完全武装の状況で待っていた

「殺し合いにはならなくて安心よ」

「ルミナさん。私はもう悲劇な光景は見たくないんです。それに私のせいで大切な人が傷つくところも」

私がそういうとユウさんは本当にカオリちゃんは良い子だねと言った
私はいつまでも過去にとらわれたままの人生をしてほしくない
明るい未来を見るのは誰もが許されていることなのだから
だから、もう悲劇になることを起こさせるわけにはいかない

「車の後部座席に乗って。マンションまで送るわ」

「でもルミナさんはどうするんですか?こんな完全武装な状況で歩くと危険では?」

私の質問にルミナさんは心配することなんてないわと答えた

「こう見えても私は一応第三新東京市警察の内務調査部門に所属していることになっているし」

「それって私たちが市警察の刑事役をしていたからですか?」

私とユウさんは偽名で市警察の刑事をしている経歴になっている
もしもの場合はそれで多少は強引に物事を解決するためである

「私はあなた達が危なくなったらどんなことでもできるようにマニュアルを作ったのよ」

ルミナさんは監察局長には迷惑をかけているけどと
私はこの街に来た時からある程度は覚悟はしていた
ネルフ側からかなり頻繁な接触があることは当然だが
その接触が友好的なものではなく、敵対的なものも含まれていることも当然である
彼らにとって私という存在は危険なものであることはわかっている
今後もこういう事態が続くことは想像できていた。
次に私に接触してくるのは誰なのか
こればかりは私にもわからない。わかっていたら簡単なのだが、難しいところである
運命というのは時にどのように方向にむかはわからない。それはまさに運次第である
必ず良い方向に進むとは限らないのだから
私は私の未来を築いていくことに集中していきたい
人々と同じでゆっくりと狂わされた人生をやり直す
それが今の『僕』の、私の生き方である。
過去を捨てることはできないけど多くの未来を見ることはできる
だから私はその多くの未来を時間をかけて選んでいくつもりなのだから