私とユウさんとでコーヒーを飲んでいるとドアがノックされた
インターフォンで確認するとルミナさんであった
私がソファから立ち上がろうとするとユウさんが僕の方で話をしてくるよと言って玄関に向かった

「誰なのか教えてもらえるかな?」

玄関のドアを開けないで質問をするとルミナさんの声が聞こえてきた
ユウさんはドアロックを開錠するとルミナさんが入ってきた

「調子はどんな感じ?」

ルミナさんが今回の『親子』会議はどうだったのか質問してきた
あれで決着するかどうかは確証は持てていない

「とりあえずはあの墓で区切りはつける人は多いと思いますけど」

私のセリフにルミナさんはそれはどうかしらと反論をしてきた
すべての人があの墓標で納得するとは思えない
中には強硬な態度をとるような人物がいるかもしれない
すでにもう何度もネルフ側から強硬的な態度をしてくる人物は多い
はっきり言ってしまうと私には迷惑な話だけである

「よかったらこれからレストランに行かない?おいしいお店があるの。もちろんあなたも一緒よ」

「ルミナさんは冷たいお誘いが上手だから慣れているよ」

ルミナさんはユウさんを誘うのは仕方がないけどといった感じだ
ユウさんもルミナさんから冷たくされるのは慣れているよと冷静な対応をしていた

「それじゃ、一緒に行きましょう」

私とユウさんとルミナさんの3人で1階の駐車場に止めているセダン車に向かった
車はルミナさんの所有物だ。ユウさんの車も止めているが、ルミナさんの方がまだ安全なのかもしれない
わざわざネルフ監察局の車を攻撃してくる人物は限られてくる
私たちは車に乗り込むと近くにあるレストランに向かった

「平和ですね」

私は思わず車窓を眺めながらそう思った。
確かに平和であることは疑いようのない事実だ
でもいつ運命が変わるかはわからない。
人の運命というのはどこでどう変わるかは『神様に近い私』でもわからない
もしわかるとすれば結末に近いところまで進まなければ見極めるのは難しい

「この街は平和よ。ネルフのおひざ元だから。ただし最近は危険な空気が流れてきていることは事実だけど」

ルミナさんの言う危険な空気とはゼーレのことであることは想像できる
ゼーレの本部はすでに多くの警察組織や国連によって捜査が行われている
今後の動向についてはただの人間に過ぎない私にはわからない
何が起きるかどうかはまさに運命の分かれ道だ
私が証言台に立つことはない。というかそうなることはルミナさんたちは許さない
もし私が証言台に立つということは彼らと関係があることを示しているのと同じである
いろいろとマスコミに私の、そして『僕』の経歴についても調べられることも十分にあり得る
そんなことを考えながら車窓を見ている間にレストランに到着した
ルミナさんの次に私が。最後にユウさんが入店した。
完ぺきに私を守るための護衛体制をとっていた
ルミナさんは窓のそばのテーブルは避けて安全なポジションを選んだ

「さすがはルミナさんだね。護衛に関するテキスト通りに従っている」

ユウさんはそう評価していた。私は一番安全な場所のテーブルに座った