私たちは無事に第三新東京市総合医療センターに搬送されて、個室の病室に移された
私は一緒にこの個室病室にいるユウさんに金銭面で迷惑をかけていないかを確認した

「治療費とかってどうします?」

私は一応救急で搬送された急患扱いなっている
個室タイプの病室には常にルミナさんやユウさん。
2人以外にも私のことを守るために監察局から職員が回されているとのことだ
小さなトラブルであっても、私のことを狙ってくる組織やその組織構成員に襲撃させないための配慮である
もしなにか私に問題が発生したら大きなことになることを分かっているといった感じだ
個人的に言ってしまえば私としては面倒に巻き込まれているのが私以外にもあることに少し申し訳なかった
こんなことになる前に対応できていたら良かったのだけど、今はこれが必要なことである
ネルフの保安諜報部がひそかにこの医療センターへ潜入されていることはルミナさんから知らせを受けていた

「ルミナさんが出してくれるらしいよ。窓の修繕費に関してもね」

ただし防弾ガラスはもう少し分厚いのを用意するとのことだ
常に3手先を呼んでいる。ルミナさんは私にトラブルが降り注ぐことを避けるために活発に動いている
ユウさんはそのように教えてくれた

「防弾ガラスはかなり高いと思うのですが」

防弾ガラスは作れと言われて簡単に生産できるものではない
何度も強度検査をするため、お値段が高いことは私にもわかる
お金の面でルミナさんとユウさんに迷惑をかけたくない
それに私の影響で大切な人が傷つくところなんて見たくない
もしそんなことが起きるなら私は誰にも気づかれないところに逃げるつもりでいた
でもユウさんはそんなことを私が考えていることを察したのか心配しないでと言ってくれた
私は甘えていることや迷惑をかけていることに本当に申し訳ない気持ちがある
今後のことを考えるとなおさら。これが何かの序章なのかもしれない
次に待っているのは本格的な誰も想像できないような驚く手段に出るかもしれない
そんなことになる前に対応しなければいけない

「カオリちゃん。今はゆっくり休んでいて。何かあったらこのボタンを押して。僕はすぐに戻るから」

ユウさんはそう言うと病室から出ていった
外では2人の人がいた。ユウさんが少し話していた
そして離れていったようだ。それにしても本当に嫌な話ではある
またしても知らない天井。海岸の町にいた頃とは少しずつ変わっている
どういう道になるかは全く予測できない。これから時間をかけて状況を判断しないといけない
誤った判断をしたら、私にとって大切な人が傷つけられる

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第三新東京市総合医療センター 警備室

「カオリちゃんをいつまでここで入院扱いにするつもりかな?」

警備室に行くとルミナさんが電話で誰かと話をしていた
とりあえず質問だけをして彼女の電話が終わるまで待つことにした。
今後のことを考えて話し合いをする必要がある
カオリちゃんは自由に生きていこうとしているのに過去の亡霊が邪魔をしてくる
もちろん僕にそんなことを言える立場ではないが、今は組織から抜けた身である
可能な限りカオリちゃんを病院から退院させて静かな時間を過ごしてほしいと思っている

「ネルフが行確に入りたいそうよ。厄介な話にならなければ良いけど」

ルミナさんの言葉に僕は状況的にはかなり厳しいことを理解した
カオリちゃんはネルフにとってはかなり微妙な立ち位置にいる
それらを考慮すると警戒するのはゼーレやその分派だけでは済まない
ネルフからもマークされたらカオリちゃんは良い心情を持たないことはわかっている

「面倒になってきたわ。ネルフの上層部はだんまりのようだけど、問題は彼女の身柄の扱いに関してよ」

ルミナさんの言葉に僕はカオリちゃんはいろいろな意味で、
状況を大きく変化させる存在であることを理解している。
それにカオリちゃんに何かトラブルが発生するとどのような結果になるか、
そのあたりはある程度の範囲であるが、把握をしている