私は病室でのんびりとしていた。
一応、私は救急患者扱いだから。それに私の立場は微妙であることはわかっている。
できればこんなひどいことになるのは避けたかった。でも巻き込んでしまって私の影響で大切な友人
ルミナさんとユウさんに迷惑をかけている。そのことに私はため息をついてしまった
結局のところ、私は誰もに迷惑をかけることなく生活をしたい。
ただそれだけの願いをしても結局のところは災いが返ってくる
同じようなことをずっと考えてしまう。

『カオリちゃん。大丈夫かな?』

声からすぐにユウさんであることが分かった
声を聞かなくても私にはユウさんであることはわかっている
だってそれは『私』が『僕』である証であるからだ
『僕』には『神様』のような力がある。もちろんそれは私利私欲に使いたくない
でも私やユウさんやルミナさん。海岸の町に住んでいる大切な人たちを守るためなら
私はどんなに汚い行為であっても行うだけの覚悟ができている
そんなことはできればしたくないことはわかっている。
でも守らなければ『私』は『私の家族』を守ることができない
『僕の家族』などはどうでも良い。今頃になって彼らと家族という名のダンスを踊るつもりはない
私にとって大切な『家族』はあの海岸の町で過ごしていた時にできた本当に守りたい人たち
『僕』の『本当の両親』にはもう見切りをつけている
彼らと語り合いをするなどあるはずがない
ユウさんは私に部屋に入っても良いかなと、入室許可を求めていた
私は大丈夫ですと伝えるとユウさんは紙袋を持ってきていた

「それは何ですか?」

「僕も警護につくけど、もしかしたらッていうかなり危険な状況になるかもしれないと思ってね」

ユウさんは紙袋を渡してくれた。その袋の中身はリボルバーの銃であった
かなり警戒することが必要になるかもしれない証でもあった
今後のことを考えると必要になることは簡単に予想できる
ユウさんは警察官の証であるバッジを持っていた。
私のためにユウさんはリスクを背負うことになるかもしれない
できればそんなことにならないことを願っている。
しかし現実的に考えると危険な状況が続くことは十分あり得る

「できれば穏やかに過ごすのが病院なんですけどね」

私のセリフにユウさんは苦笑いで仕方がないよと
確かにこのトラブルが解消しない限りはマンションに戻るのは危険すぎる
安全確保の観点で行くと今のこの選択は最も安全なものなのかもしれない
何の罪もない多くの人を巻き込みたくはないのだから
私はただ静かにゆっくりと生活をしたいだけ。
トラブルに巻き込まれることはお断りだし、そんなトラブルを持ち込んでくる組織があるなら潰す
徹底的につぶしまくるしか道はないのだ。できなければまたしても誰かが傷つくことになる