「1つだけ質問をするわ。なぜ私に協力するのか教えてもらえる?」

私がかなり気になっていたことで、渚カオルが何の見返りもない無謀な立場に追い込むようなことはないだろう
だがそれだけに何を仕掛けてくるかはわからないのは問題である。
私に大量に恩を売りつけて何か利益を得るためかもしれない
損得勘定の内容を知っておくことは重要だ

「僕は君に助けられた。本来なら僕は存在することはあり得ない存在なのに」

特にゼーレに近いはずだった立場だったことや使徒出会ったことを考えるとねと渚カオルは言っ

「もしかしたら『僕』を利用するつもりかしら?そんなことを考えているなら鉛球をプレゼントするわよ」

「僕を信じてと言える立場ではないけど、ネルフの情報を提供。君を守るために用意する楯を厳重にするために」

渚カオルはこれからも君のためにはどんな無茶なことであっても守るために行動すると、
そう言っているが、渚カオルの言葉を信用できるはずがない
彼もゼーレの立ち位置にいたのだ。何を仕掛けてくるかを考えなければいけないことは当たり前である

「それで今度は私にどんな驚きの新しい情報を教えてくれるの?」

「君は狙われている。でもゼーレ幹部全員と直接の関係はなかった組織。言っている意味は分かるかな?」

ゼーレの幹部全員ではなく、その下に存在していた組織。ネルフの上である組織。
それは『マルドゥック』という組織を意味していることに気が付いて大きなため息をついた。
まだしぶとく生き残っている連中がいるとは予想していなかった

「それにしてもこの街に関わり始めてから私はまたあの時に戻されるのか心配なだけよ」

「第三新東京市はネルフのおひざ元だから、直接攻撃はしてこないと思うけど。狙撃とかは例外だけどね」

つまり遠距離射殺などを使って『僕』を利用するために動いている残党がいることは確かなようである
もちろん、私はある意味では『僕』とは異なる『存在』である。
だけどすべてを守ることなどできるはずがない。問題解消のためにはあらゆる対応をしていくしかない
私にとって大切なのは海岸の町で旅館で一緒に生活している『家族』。それにルミナさんとユウさん。
少しでも『僕』を利用するために動くのであれば何が何でも手段を問わないで防御策を実行する

「彼らにこう伝えなさい。知らない方が幸せなことはたくさんあるとね」

「それは僕が君のことを話しても良いと?」

「知ったところで今さらよ。ファーストもセカンドも同じ考えしか持っていない」

私は彼らが謝罪するれ場少しはいい方向に向かうと彼らが考えていることくらいわかっている
でもそんなことはあり得ない話であり、時計の針が戻らないのと同じ。
謝ったところで何もできないことはわかっている

「バカな連中ね。今さら仲良しになれるなんてありえないのに」

そう、すべてはもう過去の話だ。彼らと接触することは私の方からお断りである