ユウさんが私がいる病室を出ると、『嫌な過去』ばかりを私は考えてしまう
『あの時』は頻繁に病室で辛い思いをした。『僕』はその過去を消すことはできない。
『僕』が彼女にしたことは本当に申し訳ないとは思っている
『僕』も『彼女達』もネルフやゼーレに利用されるただの駒であった
だからとしても今になって仲良しになりましょうなんて私が容認できるはずがない
もう決別する道を選んだのだ。今後、彼らと会う時があるかもしれないけど私はこだわるつもりはない
すでに彼らとの話で決着は『僕』の中ではついている

「本当に嫌な過去ばかりね」

いつも考えてしまうことだ。今の『私』も『僕』もどうやら病院とは関係が密着したものになっている
もちろんそんなものは私は望んでいないし、だれが好きで病院にいたいと思うものか
『私』は『海岸の町』も好きだけど、広い世界を見ていくことも望んでいる
でも、物事は簡単に進まないことは十分に理解している
ただ広い世界を見たいだけなのに、『僕の過去』が『私が望む未来』を見たいということを容認してくれない
必ず邪魔が入ってしまうならいっそのこと殺せばよかった
仮に『僕』が『神様のような存在』であっても、今の『私』には関係がない
それに人の罪を裁くのは人々が定めた法という名の番人だ
いくら私情があっても、『僕』やエヴァパイロットに与えた『罪』、
それを今の『私』が独断で裁くことはあってはならない
私が、『僕』が神と同じような存在でも裁くのは人々が定めた法律でなければならない
『神様とほぼ同じ』である『僕』が裁くことはいけない
人の罪は人が定めた法律によって裁かれなければならないのだ
私利私欲で好き勝手に『僕』が裁くなんて、今さら『私』することではない

「権力なんて問題の種を植え付ける事しか価値はないかもしれない」

権力は『甘い蜜』と同じだ
その『甘い蜜』を味わってしまうと逃げることはできない
再び手に入れようとすることは当たり前のことである
ネルフは自らの罪を『ゼーレ』に押し付けて自分たちは『英雄』気取りだ
はっきり言わせてもらうなら、すべての責任をゼーレに押し付けてネルフは甘い蜜だけをなめ続けている
それは今後も続くことは簡単に予測できる
でも今は監察局が存在する。ネルフの行動を常に監視している
ルミナさんやユウさんは『僕』と『私』のために警備がつけられていることもわかっている
2人には迷惑をかけたくないけど、こればかりは身動きができない状況だ
下手に動くと多くの関係者を巻き込んで、私の大切な人が傷つくかもしれない
大切な人を守るためなら『僕』はいろいろな人を巻き込むことはわかっていても、
守ることは絶対にしなければならない。『僕』が『私』であるためには必要だから

「人はどうして平和を愛することができないの?」

私は本当に思っていることである
平和をもたらしたつもりであったけど、現実はそうはいかないことは間違いない
世界中の政府は権力を得るために、甘い蜜を得るためにかなり必死に動いている
そのことについて私がどうこう言う立場ではないかもしれないけど、
多くの罪なき人々の犠牲が無いことを願いたい