第三新東京市に入ると中心部に位置しているホテルに偽名でツインルームを確保してくれていた
もう少しで夜が明けるところだったが、受付にはまだ人がいた

「予約していた皆川ユウと川水カオリです」

受付の女性はパソコンを操作して予約があるかどうかを確認。
確認作業を終えるとカードキーを手渡してきた

「皆川ユウ様と川水カオリ様ですね。予約は承っております」

「ありがとう」

受付の女性からユウさんがカードキーを受け取ると荷物を持って部屋に向かった
部屋は20階の2015号室。ベットは2つのツインルーム

「ここが僕たちの拠点だよ。一応5泊取っておいたよ」

「お金は大丈夫ですか?」

私はお金のほうが心配になってしまった。
何から何までお世話になっているから。

「カオリちゃんは心配することないよ」

また髪の毛をなでられた。
いつものように誤魔化されたかのように感じたが
今はもうどうでも良い。

「朝までは少し時間はあるから寝ることにしましょう」

たしかに、今の時間は午前4時ごろ。
もう少しで夜明けだが、少しは寝る時間はある

「そうですね。私はシャワーは使わないんですけど、ユウさんは使います?」

「僕も今日はこのまま寝るよ。数時間後からは忙しい日々が待っているようだし」

ユウさんはベットに入った。
私もベットに入ると眠ろうとするが数時間後から始まる出来事に興奮して眠れなかった
その様子を感じてがユウさんが起きてきた

「眠れないのかい?」

私は素直にはいと返事をした。
するとユウさんはベットから起き上がり車から持ってきたカバンから薬ビンを出してきた

「睡眠導入剤。これで少しは眠れるはずだよ」

「ありがとうございます」

わたしは薬の入ったビンを受け取るとキャップをあけて1錠飲むとユウさんに返した

「これで眠れるよ」

「はい、それじゃ、おやすみなさい」

「おやすみ」

ユウさんはビンをカバンに戻してから再びベットに戻り眠りに付いた
私もじきに眠りにつく事ができた。これから起こるであろうさまざまな出来事を想像しながら


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午前9時、僅か数時間の眠りだけだったが私とユウさんには十分な時間だった
ユウさんは起きて早々、カバンの中身を確かめていた。
検問所を通過するときは隠した物だ。
中には多数の武器弾薬が収められていた
その時、ドアがノックされた
ユウさんは私にベレッタM92を放り投げてきた。
私はそれを何とかキャッチすると銃のスライドを引き、弾を装填した
これで引き金を引くだけで発砲できる。
ユウさんも私と同じ銃を持ち、ドアに近づいていった

「どちら様ですか?」

『ルミナよ。開けてもらえると助かるんだけど』

ドア越しに聞こえてきた声はたしかにルミナさんの声だった
ユウさんは一度私のほうを見ると頷き、ドアのカギを開けた
そしてルミナさんの額に銃を突きつけた

「大丈夫よ。私1人できたわ。検問所を通れる手配をしたのも私。私は味方よ」

「それなら安心といっていいのかな」

「とりあえず、額に向けられている金属の塊を片付けてもらえるかしら」

「そうだね。他のお客に見つかったら大変だ」

ユウさんは銃をズボンの後腰に差し込むとルミナさんを部屋に入れた

「それにしても、ずいぶんと大量に武器を持ち込んだわね。ネルフと戦争でもするつもり」

たしかにルミナさんの言い分は確かだ。
まさに1人でちょっとした戦場に散歩できるくらいの量の爆薬と弾薬がボストンバックに納められていた

「一応、あなた達の身分は第三新東京市警察刑事課の刑事という肩書きを作っておいたわ」

ルミナさんはそう言うと私とユウさんに経歴書を手渡した。
そこには確かに第三新東京市警察に採用されたと記載されていた。
現在の職務はルミナさんが言ったとおり、刑事課の刑事。

「これで、少しは時間は稼げるでしょう。その間にプランを練りましょう」



プラン、それは私が私であり続けるための計画であり



私の今後の、いや、世界の人生がかかっていた


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