『私』は倉庫に監禁されていた。
何をされるかは簡単に予測することはできていた
『僕』の存在を利用して権力を取り戻そうするのだろう
でもいまさらそんなことができると考えるとはある意味ではバカな話だ
私は木製のイスに座らされている。手足が動けないように拘束もされている
もちろんこんなものを破壊するのは簡単ではあるけど
ここは少し『女らしさ』を見せて情報をこちらに喋らせてやろうと考えていた
「お前が碇シンジであることを我々は知っている。MAGIのアクセスコードを話してもらおうか」
『僕』に向かってまるで警察で事情聴取をするかのような相手の物言いにどうやってくぐり抜けていこうか
そのことばかりを考えていた。『私』としては迷惑なことは避けたい
でも『僕』を利用するつもりなら、こちらも黙っているわけにはいかない
たとえ拷問されかけたら『殺し』という選択肢を考えている
「さっさとアクセスコードを話せ!」
「あなた、バカじゃない?私があなた達に協力して良い事でもあると?」
私は少しからかうように言うと相手の男は私に銃口を向けた
普通ならおびえて何でも話すかもしれない。それはか弱い女のことを演じるだけだ
今の『僕』にそんな対応をするわけない。別にネルフに恩を売るつもりはない
仮に『僕』がMAGIのアクセスコードを喋ってしまえば、『私』の今後の生活に影響する
それはあまりにも良い話ではない。それにこのチャンスを利用すればいいことができるかもと思っていた
危害を加えるようなことはしないことは『僕』が『神様の権限』で知っている
『神様の権限』を使えばどんな人物の考えを知ることができる
それでも彼らに協力するつもりなど初めから選択肢に入っていない
選ぶ道はいくつかしかないことはわかっている。私が相手を殺すしかない
『僕の真実』を知られているとなるとユウさんとルミナさんにもっと苦労と迷惑をかけてしまうのだ
そんなことは何が何でも嫌な話だし、私はただゆっくりと平和な日常生活をしたいだけ
「仮に私が協力して何か良い事でもあるの?」
「今なら生かして帰してやる。死ぬのは怖いだろ。どうする?」
リーダー格の男は私の額に拳銃を押し当てた。
これはただの脅しにしかなっていないことを気づいていないのか
本当にゼーレの危険な思想を持ち続ける連中はどうかしている
力で世界を制圧など、絶対にできるはずがない
分かっていても自らに利益をもたらすためならどんなことをしてしまうのが人間というのかもしれないが
そのことについて『僕』がどうこう言うつもりはないけど
『私』の今後の生活に影響が出るようなことは避けたい
『僕』が動こうと思った瞬間に倉庫の外から銃弾が飛び込んできた
『私』を撃とうとしていた男は額に銃弾を受けて即死だった
その方向を『僕』が見るとルミナさんがいた
それと同時に倉庫内に第三新東京市警察のSWATが突入してきた
『僕』はまた迷惑をかけてしまったと感じてしまった
できるなら大切な今の『私の家族』に迷惑をかけたくない
『僕の家族』がどうなったとしても今更どうでも良い事なのだから