第三新東京市 地下ジオフロント ネルフ本部 訓練ルーム

「どうして私が接触してはいけないっていうのよ!」

「碇君は戻ってくるべきです。それにどうしてあなたは許されているの?」

僕はアスカさんやレイさんの言葉にため息をつきたくなった
2人が行ったあの悲劇を考えれば当然である
特にアスカさんが銃口を『彼』に向けたことでペナルティを受けている
しばらく大人しくしていろと
それを無視して行動しようとするので僕が割って収める役をしている
損な役回りであることは間違いない。
こんな役目はできればしたくなかったが、水川カオリちゃんのことを考えると仕方がない
僕にも責任がある。あの『儀式』の。サードインパクトという儀式を知っている者として
これは僕が責任を負うべきことだ。引き金を引いた1人でもあるのだから

「アスカさんやレイさん。彼はもう碇シンジ君ではないしネルフとは関係がない人間」

君たちがすべてを破壊したら誰がその責任を取るのかわからないのかと

「ならどうしてあいつは戻ってきたのよ!」

「アスカさん。彼はもう僕たちが知っている『彼』ではない。今は水川カオリであることをよく理解しないと」

僕がどれだけ説得してもアスカさんやレイさんは納得することはないというのはわかっている
だからといって僕は『彼女』と『彼』を守る義務がある
そのためにも彼女の今後の将来を妨害する存在は排除することが求められる
僕がゼーレに潜入しているのは彼女が平穏に暮らせるようにするためでもある
『彼』は僕を救った。あの時は『使徒』であり、人類の敵だったが今はただの人間である
なら今度は僕が『彼』と『彼女』を守る

「もうこれ以上深入りしないことをお勧めするよ」

「あんた。本当は何か知っているんじゃないの?」

「アスカさん。君たちは知ることは許されないこともあることを自覚しないといけないよ」

僕はアスカさんとレイさんにこれ以上問題を起こすようなことをした場合は君たちのことを恨むよと、
そう伝えると訓練ルームを出た。外では加持さんが待っていた

「上はどんな感じですか?」

「碇司令は静かだけど彼のご婦人は納得していないところがあるみたいだね」

「碇司令は飴を提供されていますから敵対行動に入ることはないでしょう」

最後の問題はアスカさんとレイさんだけである
彼らはどこまでもこだわろうとすることは間違いない
過去ばかりを見ていても前には進めない。
振り返るなとは言わないけど、過去を糧として未来に向かって歩んでほしい。
これは僕の唯一の救いの道であると考えている