午前10時、私とユウさん、そしてルミナさんを加えた3人はプランを練っていた
問題はいかにしてネルフ本部の幹部と接触するか。
私1人の力だけならば難しいことだったが、監察局の力を利用すればたやすいことだった
問題はそれまでの時間だ。ネルフにいつまでここにいる事が発覚しないですむか
発覚するのはそう遠くないうちに発覚するだろう。
問題はそのときの対応方法だ。
ここはネルフのお膝元、第三新東京市だ
いくら肩書きが第三新東京市警察の刑事だったとしても
彼らが強硬な手段を使わないとも限らない
もしかしたら、彼女のことを消す可能性も否定できない
そうなれば、世界は破滅への道を歩むことになるだろう
だが、そんな懸念をルミナさんは吹き飛ばしてくれた

「これを使えばばれないですむでしょ」

手に持っていたのは髪を染めるときに使う物だ
銀髪を黒に変えてしまえば、誰からも怪しまれることはない。
さらに目立つ心配もない。1週間程度ならば十分市販の髪染め製品で間に合わせることができる

「それじゃ、お風呂で髪染めをしましょうか」

私は特に抵抗もなく、ルミナさんの指示に従ったが。
服を脱いでいるときに慌てて着なおした

「ユウさん。絶対に見ないでくださいね!」

「大丈夫だよ。大丈夫と言うまで外を眺めているから」

ユウさんはベットに腰掛け、外の方向を見ていた
それに安心して服を脱ぐと、お風呂にルミナさんと一緒に入っていった
1時間後、銀髪から黒髪にチェンジした私が出てきた。
服を着用するとユウさんにもう良いですよって声をかけた

「見違えるくらい、よりいっそう綺麗な女性に生まれ変わったね」

ユウさんはそうほめてくれた。その言葉に私はうれしく感じた

「これでしばらくはバレないですむわ。あなた達は2日後のネルフ本部一斉査察までゆっくりとこの街を見学しておいていいわよ」

あと、これを渡すように頼まれたの。そういって渡したのは1枚のクレジットカードだ

「限度額は300万円まで当面の生活費に当てるといいわ」

「いいのかい。監察局がこんなことをして」

「私なりの便宜のつもりよ。監察局は関係ないわ」

「分かったよ。大切に使わせてもらうよ」

これからが本番だ。ネルフとの対決まであと2日。それまではゆっくりと街を見てまわろうと思った
ルミナさんは用件を済ませると2日後の午前9時に迎えに来るわとだけ伝えると部屋をあとにした

「ユウさん。今日はゆっくりと街を見てまわりませんか」

「そうだね。前回は散々だったからね」

そうして私達は外に外出して行った。私は武装はしなかったが、ユウさんは足首に小型のリボルバーを装着した

「それじゃ、行こうか」

「はい」