第三新東京市 地下ジオフロント ネルフ本部総司令官執務室

『あなた方にとってもゼーレの存在は脅威ではありませんか?』

私は監察局の蒼埼局長と連絡を取っていた
『彼女』の周辺でゼーレの分派と思われる人間が現れたとなればネルフにとっても脅威の対象である
エヴァパイロットの警護体制をより頑丈なものにする必要があるからだ
もし本当に誘拐されて戦闘が起きたら死者が出るだけでは片付かない
大きな騒動になることはよく理解している

「MAGIを使って市内の監視カメラの映像をすべてクロス検索させて、こちらでも独自に捜索を行う」

『彼女に影響が出るようなことになりそうな場合は即座に我々にも連絡を』

現場での対応はこちらでも行えるのでと蒼崎局長は言った
確かに今回の案件ではネルフと監察局がチームを組んで対応しなければいけない
それができないとなると大きな問題になってくる。世界が泣くようなことはあってはいけないのだ
今は守るために手段をとなわないで行動することが求められる

「私にできることはシンジ、いや彼女が平和に暮らせることの地盤づくりをしてやることだ。それが償いだ」

私の言葉を聞いて冬月はお前にしては珍しいことを言うなと言ってきた
確かに私はあまり態度が良くないことは理解している
シンジのことを道具と同じようにしてしか見てこなかった
だが今は償うことが少しでもできるのなら我々が『彼女』を陰ながら守ることが最も求められるミッションだ
警戒レベルをこちらが上げていれば気づいた時にはすぐに身柄を拘束できるかもしれない
ゼーレのメンバーを拘束できれば新たな組織に関する情報が得られる
今はどんな小さな情報でも重要であるという事実には変わりはないのだから

「冬月。我々にとって最大の問題はゼーレの分派がどの程度いるかだ」

「保安諜報部でもかなり調べている。MAGIまで使って市内全体を監視しているが」

冬月の言うとおりだ。
今はMAGIを使って市内の監視カメラやあらゆるセンサーで不審者がいないか調べさせている
もし1人でも不審人物が確認されたら即座に身柄を押さえて取り調べが必要だ
この街を守るのも我々の仕事である。
それにゼーレの関係者がいるならレイたちを含むエヴァパイロットにも影響が出る

「冬月。私はもう彼女と会うつもりはないが守ることには全力で動く。私にできる唯一の償い方だ」

「そうだな。ネルフという組織としての謝罪も守ることが最優先だからな」

冬月の言うとおりだ。今は守るしかない
この街を。そして彼女を。それが我々の戦いでもあるのだ

「ゼーレはかなり市内に潜入していることも予想されるな」

「ああ。我々にとっての最大の懸念はそこだ。エヴァパイロットを狙ってくるだろう」

ネルフにとってエヴァパイロットは貴重な存在だ
かつてのような野蛮な方法でエヴァとシンクロする必要がなくなったとはいえ素質を持つ者は限定される
そういった様々な事情を考慮に入れると警戒態勢を厳重にすることが求められる