地下1階の駐車場に到着すると2人は車に乗り込み,
駐車場から出ると街へとくりだしていった

「さて、いったいどこに行きたい?」

ユウさんが聞いてきた。
私は出かける先など特に考えていなかった

「あの、第三新東京市立第壱中学校に行ってもらってもいいですか」

「かまわないけど、何かあるのかい?」

ユウさんは車に装備されているナビ機能を使い第壱中学校を登録した
そして、ナビの指示に従って、その方向に向かった。
その途中、懐かしいと感じてしまった私
今でも過去を引きずっていると実感した
でも、過去は捨てられない。
過去があるからこそ今の自分があるのだから
そんなことを考えているうちに第壱中学校が見えてきた

「懐かしいのかい」

「どうして知ってるんです」

まるで私の過去のことを知っているかのような口ぶりに
私は警戒心をむき出しにしてしまった

「気に触ったならごめんね。ルミナさんからある程度の事情は聞いてるよ」

「どこまで知ってるんですか」

ある程度、そのある程度が私にとっては重要だった

「君の過去を詮索するつもりはないから安心して」

そう言われても、私の不安は払拭されなかった
どこまで知っているのか。それが私にとっては重要だった

「君がサードチルドレンだったということまでは知ってるよ」

つまりすべて知っているということだ。
私はこのとき、自分の手元に銃がなくてよかったと思った
もし持っていたら、私は迷わず撃っていたかもしれない

「君にどんな過去であったとしても、水川カオリに違いないんだから」

その言葉を聞き安堵の表情を浮かべた。
彼はきっと、いつまでも私の味方でいつづけてくれる。

「こんなところにずっといてもあれだし、街に戻ろう」

「そうですね」

そうして、私達は再び街の中心部に戻っていった