4人は作戦会議に入った。
ルミナさんがまた経歴をでっち上げてくれた
新しい経歴はネルフ監察局監察部監察官という経歴だ
その経歴書を受け取ると紙に印刷された中身は嘘ばかりの経歴だ

「問題はどうやって碇ゲンドウと碇ユイに会うってところね」

確かにそのとおりだ。
いくら監察だといっても上層部の人間が直接出てくるとは考えにくい
せいぜい出てくるのは中堅クラスの人間だろう。
それでは意味がない。私が求めているのは2人との対決なのだから

「手がないわけじゃないわ」

ルミナさんが突然切り出してきた。
そのプランはあまりにも無謀という物であった
それは渚カヲルを人質にして、2人を呼び出すということだ
しかしそれを実行するには、彼の全面協力が必要だ

「私は彼に銃を向けるのはどうとも思わないわ」

「怖いことを言わないでくれると助かるんだけどね」

カヲルはそう言うが、私は彼に銃を向けることをどうとも思ってない
むしろ殺したいと思っているくらいだ

「渚カヲルを、彼を人質にするにはそれなりに準備が必要だよ」

ユウさんがそう言ってきた。
確かにそのとおりだ。渚カヲルを人質にするプラン
それはもっともな有効な策だが、下手をすれば監察局にまで影響を及ぼす
ルミナはそれだけは避けなければならないのだが、
今回はそうは言っていられない

「あなたが持ってきた装備があれば十分対応可能なのでは?」

ルミナさんがユウさんが持ってきた装備を指摘した
たしかにユウさんは大量の武器弾薬を持ってきている

「それじゃ、そのプランで実行するのかい?」

渚カヲルが口を挟んできた。
次の瞬間、ユウさんは再び、渚カヲルの首を『トン』として気絶させた

「計画はスタートした。それでいこう」

「了解。私達のほうの対応は任せて」

そうして回り始めた時計。それが止まるとき正義がなされるのか、
それとも悪夢の結果になるのか、どちらになるかは分からない

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私とユウさんは、渚カヲルを大きなボストンバックに詰めると
地下駐車場に止めている車に移動した。

「本当にうまくいくでしょうか?」

「大丈夫だよ。なんとしてもうまくいかせるから」

駐車場に到着するとボストンバックから渚カヲルを取り出すと後部座席に寝かせた

「少し様子を見ていてもらえるかな。僕はもう1つのボストンバックを持ってくるから」

つまり武器を持ってくるということだ。

「念のためにこれを渡しておくよ」

ユウさんは私にベレッタM92をもう1丁投げてよこした
もしものためだろうが、これを使うときが来ないときを願うだけだ
15分後にはユウさんはまたボストンバックを持って戻ってきた

「それじゃ、作戦を始めようか」

作戦、渚カヲルをえさにして碇ゲンドウと碇ユイを連れ出す計画。
うまくいくかどうかはまさに運しだいだ。それも神様に祈るぐらいの確立だ

「成功すればいいですけど」

「そうだね。成功すればいいね」

確かにそのとおりだ。
この作戦がうまくいけば、私の運命は変わるかもしれない
もし成功すればの話だが

「成功させないといけない」

「そうだね」

私の運命を決めるためにも、この作戦を成功させなければならない