ユウさんはさっきルミナさんから聞いた番号に電話をかけた
もちろんスピーカーフォンモード状態にして
相手はすぐに出た

『誰だ』

「渚カヲルを預かっている者です」

その言葉に電話の向こうではなにやら他の声も聞こえてきた

『ちょっとあんた、何考えてるのよ』

声の主は誰だかすぐに分かった。
葛城ミサトだった。どうやらこの電話は発令所への直通電話だったようだ

「何考えてるって、誘拐犯ですよ。簡単に言えば」

ユウさんは余裕の態度を崩そうともしなかった。
ユウさんに視線を合わせると任せてといわんばかりに笑みを浮かべた

「そちらに碇ゲンドウさんと碇ユイさんはいらっしゃいますでしょうか」

『私が碇ゲンドウだ。ユイは今は外しているがかまわないか』

「もちろんです。ここでビジネスの話に移りましょう。そろそろ逆探知もできている頃でしょう」

『ああ、そちらの居場所は分かっている。何故その場所を選んだのか』

「理由など簡単です。ここがかつてリリスの分身たる綾波レイの住んでいた場所だったから、それだけの話です」

『目的は何かね』

「碇ゲンドウさんと碇ユイさんは2時間後にこの場所に来てください。もちろん護衛など付けずに」

『付けて行ったらどうなるのかね』

その時、ユウさんが私に何か合図をしてきた。
手で銃の形を作って。それを地面に向けて
私はベレッタM92を取り出すと地面に向かって発砲した

「今の音で理解していただけると思いますが、1人でも護衛らしき人物を見つけた場合、チルドレンが3人から2人になります」

『君たちの本当の目的は何かね』

「それは会えば分かります。では2時間後に第三新東京市市営住宅第22番建設職員用団地6号棟の402号室に」

『わかった。2時間後にそちらに行かせてもらうよ』

「お待ちしております。では失礼します」

ユウさんは電話を切ると大きなため息のような息を吐き出した

「緊張したよ」

その時、銃声で起きたのか渚カヲルが目を覚ました。

「ぅん、ここは」

「第三新東京市市営住宅第22番建設職員用団地6号棟の402号室だよ。計画は進行中だよ」

ユウさんがカヲルに事情を説明していたが、まだどうやら飲み込めていない様子だった