そして約束の2時間後のときを迎えた。
その時ドアがノックされた。私はホルスターからベレッタM92を取り出すとドアに照準を向けた
ユウさんもホルスターから[ SIG SAUER SP2022 ]を取り出すと同じように銃口をドアのほうに向けた
「それじゃ、カオリちゃん。いよいよショータイムの時間だね」
「そうですね」
さっき飲んだ鎮静薬の効果もあり、頭のほうは冷えていた
『トントン』
ドアがノックされた。
本当にいよいよショータイムの時間だ
渚カヲルにはしゃべれないように口にガムテープをしていた
「それじゃ、ショータイムの時間だ。ドアのカギは開いていますよ!」
ユウさんが大声で言うと、ドアが開いた。
ドアの向こうには確かに碇ゲンドウと碇ユイが立っていた。
「どうぞ中に入ってきてください」
「そうさせてもらおう」
碇ゲンドウがそう話すと2人一緒に部屋に入ってきてドアが閉じられた
いよいよ舞台は整ったわけだ。ここは完全な密室。そこでユウさんが動いた。
「念のためチェックさせてもらいますよ」
そう言うと盗聴器発見装置を2人にかざした
結果は見事に盗聴器がいくつか仕込まれていた
ユウさんはそれを排除すると、靴で踏み潰した
「これで4人で話ができますね」
「そのようね」
碇ユイが話した。
盗聴器の件は驚いた反応を示してたところを見ると
保安諜報部が独自に動いているのだろう
時間はそれほど残されていなかった
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「それじゃ、何からお話をしましょうか?」
ユウさんが主導的な立場に立ち話を始めた
「彼の解放の条件ですが、僕たちが無事に第三新東京市を抜け出すこと。それが条件です」
まずは逃走ルートの確保
もっともネルフがそんな約束を守るとは思えないが
今はそれを信用するしかない
「それに関しては飲むは。他に条件は?」
碇ユイが口を挟んできた。
もっとも、今回の目的は彼女が狙いだったのだから
この状況は事前の予想通りに運んでいる
「碇シンジをどう思っていますか」
今度はユウさんに変わって私が話しはじめた
私の質問に碇ユイは答えにくそうな表情を浮かべた
「彼から伝言を預かってきています。あなたの答え方しだいで内容は変わりますが」
「シンジに会えるなら、私は何だってするわ」
「何だってですか。それがたとえ命を投げ出すような行為だとしてもですか」
「もちろんよ。一目でも会えるなら、そうするでしょう」
私の想像を超える返答で答えてきた碇ユイ
私はとっさにどうしようかと悩み始めた
いざ敵を目の前にしてぶるってしまったのだ
「それでは、碇シンジの伝言を伝えます」
それは私からのメッセージ。それも直接的なものだ
銃口を碇ユイに合わせると
「死んでください。これが彼のメッセージです」
「カオリちゃん!」
『バンっ』