私とどんな話をしたいのか興味を持った
「私とどんな話をしたいんですか」
「君と2人きりで何か話をしたかったんだよ」
「それじゃ、最近のネルフの動向はどうですか?」
「ズバリ来るね」
加持さんはおどけたようなリアクションを見せた
「ネルフはこの町に手を出すことを禁止しているよ。安心して暮らすと良いよ」
「それはうれしい言葉です」
確かにうれしい評価だ。ネルフがこの場所から手を引いてくれれば。今後問題はあまり発生しないだろう
「ただし、うちの葛城、いや、ミサトはうるさかったが俺が黙らしておいた」
妙な言い回しになんとなく感づいた私は率直に聞いてみた
「結婚したんですか。ミサトさんと」
「ああ、おかげで今は加持ミサトだ」
「そうですか。ご結婚、おめでとうございます」
私は率直な感想を述べた。すると苦笑いをしながら言われた
「そんなに嫌いかい?ミサトのことが」
「別にそういうわけじゃないですけど。ちょっと慣れなくて」
別にミサトさんに敵意はない。ただネルフにいるというだけで毛嫌いしてしまう。
私の悪い癖でもある
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加持さんと海岸の砂浜で話す。彼とは何故だか信頼できるように感じられた
「そういえば、こちらにはどれくらいいるんですか?」
「一応1泊2日の旅行でね。宿泊先は君が住んでいる旅館だよ」
その言葉に私はドキッとしながらも平静を装いながら答えた
「今日は騒がしいですよ。どこかの学校の林間学校の生徒が来ているみたいですし」
「それぐらいは覚悟の上だよ」
つまり下調べはしてきたということだろう。ネルフの情報収集能力を甘く見ていたのかもしれない
「ネルフは今後、どのように対応を」
「それは今の時点では分からないよ。碇指令や碇ユイ博士は今回の事件に緘口令を強いているからね」
つまりネルフ内部では私達がした作戦はごく一部の限られた人物しか知らないということだ
それはそれで好都合だ。こちらにとっては。問題は、今後のネルフの動きだ。どう動くかでみんなの人生が左右される
私はしっかり生きる必要がある。かならず
「そうですか」
「ずいぶんとそっけないね。もっと驚いてくれると思ったんだけど」
「私にとっては想定通りです」
「そうかい。君は今後どう生きていくつもりだい?」
そんなことは聞かれなくても決まっている
「しっかり生きていくだけです。地面に足をつけて」
そう、あのときに葛城ミサトさんに言われたとおり、しっかり生きていくだけだ
「よかったら旅館までご案内しましょうか?」
私がそう言うと
「案内してもらおうかな。ここまでバイクで来たからね」
海岸の道路を指差すとスポーツタイプの大型バイクが止まっていた。私達は砂浜から道路に戻る。
私は加持さんのバイクの後部座席に座り、加持さんにつかまると加持さんはエンジンをかけた
「それじゃ、旅館まで行こうか」
「はい」
私達は旅館に向かった