旅館までは数分でついた。
私は加持さんは駐車場にバイクを置くと、2人一緒に入っていった。
すると受付のラウンジには大勢の林間学校の生徒たちがいた
受付にいたお父さんにどこの学校の子供たちと聞くと第二東京市の中学生たちだと言った
「加持さん、予約はしてあるの?」
「あいにくと飛び込みの客なんだが、部屋は空いてるかね」
本当にぶらりと1人旅に出たように感じた。
私は受付にいるお父さんに掛け合って別館にある私の隣部屋が開いているからそこにお客を入れてもいいかと尋ねた
「お父さん、私の知り合いが飛び込みで来てるんだけど、私の隣の部屋、空いてたよね?」
「ああ、空いてるが、カオリの知り合いってことはあっち関係の人か」
あっち、それは第三新東京市のことを指し示していた。
お父さんにそうだよと伝えると大丈夫かと心配そうな表情で見られた
当然だろう、つい昨日、第三新東京市で派手なことをしてきたのに。その関係者を泊めてやって良いのかと
「大丈夫だよ。名前は加持リョウジさん。信頼できる人だから、昔からいろいろと相談にものってくれたし」
相談とはあのときのことを指し示す。使徒との戦闘中に畑に水を撒いていたときのことだ。
あのときの言葉は今も私の中で生き続けている
「わかった。部屋を空けるように手配しよう」
「ありがとう。お父さん」
私はラウンジで休んでいる加持さんのもとへと行くと部屋が取れたことを伝えた
「私の隣の部屋ですけど、部屋は取れましたのでご案内します」
「君じきじきのご案内か。良いね」
「私の体は安くないですよ。高いんですから」
「君をどうこうしようとは思ってないよ。そんなことをしたらミサトがうるさいからね」
その言葉で分かった。彼は本当に葛城、いや加持ミサトを愛しているのだろう
「ミサトさんのこと、愛してるんですね」
それは言葉の中に感じられた。それはそれで良いことだ。愛情はなによりも大切にしなければならない
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私は加持さんを私の隣の部屋に案内すると食堂に向かった。昼食をとるためだ。食堂には数多くの中学生がいた。
林間学校で来ているのだから当然のことだが
「これは、すごいわね」
食堂には数多くの生徒たちで賑わっていた。
「カオリ、昼食は自分の部屋で取れ。あとで俺がもって行ってやる」
そう言ったのはさっきまで受付にいたお父さんだった。お父さんがそう言ってくれたので、私は自分の部屋に戻っていった
その途中で、元気にあふれる中学生の声が聞こえてきた。それが、何故だか無性に腹立たしく感じられた。
あの時に味会うことができなかったひと時。その途中でユリさんとすれ違った
「ユリさん、今日はにぎやかになりそうですね」
「そうね。また騒がしい日々が3日間も続くなんて思うと苦労しそうだけど」
「そうだね」
「それじゃ、私は仕事があるから」
私はユリさんと分かれると自分の部屋に戻った。
「騒がしい3日間か、それだけ騒がしいなら何とかなるかも」
「また何かたくらんでいるの?危ないことはだめよ」
うしろから突然声をかけられ、慌てて振り返るとお母さんが立っていた
「別に危ないことじゃないから安心して。ただ、もう2人ほど、けりをつけたい人がいるの」
それは碇レイと惣流・アスカ・ラングレーのことだ。彼女たちとの決着はまだついていない。
特に碇レイとは中途半端なままだ。このままだと自分がおかしくなりそうなくらいだ
「それは第三新東京市に?」
「はい。遅かれ早かれきっと彼らは動き出す。その前に」
「カオリ、今日はゆっくりと頭を冷やし。遅かれ早かれならいつでもいいでしょ。そんなに焦らない事が重要だよ」
「わかりました。そうします。それじゃ、自分の部屋に戻るので」
私はそうお母さんに言って自分の部屋に戻っていった。