部屋に戻って数分後引き戸のドアがノックされ、お父さんが入ってきた。昼食を持って

「昼食、いつもどおり少なめにしておいたぞ」

お父さんはいつも通りのメニューで私の昼食を持ってきた。私はそれを受け取ると、お父さんにありがとうと言った。

「カオリ、危ないことはあんまりするな」

「無理だよ。過去にけりをつけるためには1つか2つは危ない橋を渡らないといけないの。だから」

「そうか。だが、お前の家はここだ。その事実だけは変わらない」

いつも言われる言葉。何か危険の前触れのときに言われる言葉だ。
きっとお父さんも心のどこかでは理解しているのだろう。
お父さんは私の頭を撫でた。まるで子供にするかのように

「食べ終わったら食器はいつも通り外に出しておけよ。あとで回収に来るからな」

「わかってるよ。お父さん」

軽く撫で終えるとお父さんは私の部屋から出て行った
私は持ってこられた昼食を居間のテーブルに置くと、ランチタイムに入った。
いつも通り、私用に作られた量の少ない昼食。いつもの日常が帰ってきたが、まだけりはついてはいない。
必ずつけないといけないのだ。そうじゃないと、前に進めないように感じられた
鳥でたとえるなら巣立ちを迎えることができない赤子の状態だった
昼食を食べ終えると廊下の隅に食器を出し、私は部屋で計画を練っていた
どうやってもう1度第三新東京市に潜入するか。
それは部屋の隅に置かれた第三新東京市警察のバッチが解決してくれた
あれがあれば検問所は容易に突破できる。問題はどうやって2人に接触するかだ
私が直接行ったら、向こうも怪しむだろうし。
この計画実行には加持さんの協力が必要だった。
その他にルミナさんやユウさんの協力も必要になるだろう。
3人の協力がなければこの作戦は成功しない。
3人の力があっても成功するかどうかは。
運命を信じるほかない
私は早速隣室にいる加持さんの部屋に向かった。

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加持さんの部屋をノックするとすぐに返事が返ってきた

「今、大丈夫だよ」

「失礼します」

私はそういって部屋に入ると、加持さんは昼食を食べているところだった

「お食事中にすみません。お邪魔でしたか?」

「いや、気にしなくて良いよ。君みたいな美人なら大歓迎だよ

「ほめ言葉、ありがとうございます」

そう言って部屋に入っていった。
室内は来たばかりのせいだからか整頓されていた

「加持さんに相談があります」

「どうやら重要な相談みたいだね。少し待ってくれるかい。昼食を食べてからでもかまわないかな」

「かまいませんよ。急ぐ用事でもないですし」

確かに今すぐにというような用事ではない
むしろ加持さんの食後にゆっくりと時間をかけてプランを練りたいところだ
私は一度ベランダに行き、ベランダに置かれている木製のロッキングチェアに腰掛けた。
そこで加持さんが昼食を食べ終わるのを待っていた。しばらくして眠ってしまったのか起こされた

「起こしちゃって悪かったかな」

すでに時計の針は4時を指し示していた。

「いえ、起こしてくれてありがとうございます。それじゃ、相談良いですか?」

私は室内に入ると、今のテーブルに向かい合って

「相談というのは、私をもう1度、第三新東京市に入れてほしいんです」

そこまで言うとか持参もいつものわかっている表情から真剣な表情に変わった

「今度はなにをするつもりだい?」

「綾波、碇レイと惣流・アスカ・ラングレーに会わせてほしいんです。3人きりで」

「渚カヲル君のことは良いのかい」

「彼とはもう話は終わりました。残っているのはこの2人だけです。どこかで拉致をして監禁して3人きりで話がしたいんです」

そう、もう拉致しか手段は残っていない。
ネルフはこれ以上チルドレンの誘拐を阻止するために徹底的にマークしているだろう。
その間を抜き、拉致をしなければならない。これこそ、かなりグレードの高い作戦だ