「かなり難しいよ。君が渚カヲルを撃ったせいで警備が強化されているからね」

それはそうだろう。チルドレンを撃たれて黙っている奴はいない
今回の場合で言えば、ネルフは軽微の保安諜報部員の増強を図っているようである
それでも実行しなければならないのである。そうでないと私が前に進めないでいるのだ

「それは分かっています。それとなく加持さんのほうで誘い出してもらえませんか」

「君も無理なことを言うようになったね」

「何とかしてもらえますか?」

無理無謀な注文だ。
それをやってもらうことができるのは加持さんだけだった
今回の作戦で最も頼れるのは加持さんだけだった

「わかったよ。2日後の学校帰りにそれとなく声をかけて、連れ去って君の指定した場所に連れて行くよ」

それでどうだいと聞かれて私ははいと頷いた
それで作戦は大体は決まった。あとはユウさんとルミナさんの協力を取り付けるだけだ。
かなり強引な方法だけど、作戦は実行可能だ

「加持さん。頼るのはこれで最初で最後かもしれませんけど、よろしくお願いします」

「なんか怖いね。ところで連れ去る先はどこに連れ去ったらよいのかな」

そんなことは決まっている。あの場所だ

「第三新東京市市営住宅第22番建設職員用団地6号棟の402号室にあそこが一番良い場所なので」

「レイちゃんには余り好きじゃない場所だと思うけど」

確かにそうだろう。あのコンクリートだけの世界。
蒼のときの彼女の心を象徴する世界だが、隠れ家にするにはちょうど良い場所だ。

「隠れ家にもってこいなので、そこに連れてきてください」

「わかったよ。でも1つ条件がある」

「何ですか」

「傷つけないでやってほしいんだ。2人の心を」

それは保障できるわけはない。

「それは保障できません。これは私と彼女たちの戦いなんですから」

そう、これは私達3人の戦いに他ならない。傷つけあうかどうかは運命しだいだ。


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私は加持さんの部屋を出ると自分の部屋に戻った。そして、携帯電話でユウさんの携帯電話に連絡を取った

『もしもし、カオリちゃん、どうかしたのかい?』

「もう1度、手を貸してもらえませんか」

『何か危ない匂いがすけどそういうことかな』

そう、ユウさんの言うとおり。まさに危ない橋をいくつも渡らないといけない。
成功するかどうかはまさに運命に任せるしかない作戦。作戦とは到底いえないが、これしか手段はない
加持さん、ユウさん、ルミナさん3人を巻き込んで行うしか

「そうです。その危ない橋をいくつも渡らないといけない作戦ですけど」

『その作戦に加持リョウジもかかわっているのかい。偶然こっちに来てるみたいだけど』

どうやらユウさんは加持さんの動向を把握しているようだ

「加持さんとはもう話をしました。協力も取り付けました。あとはユウさんとルミナさんのお2人の協力が必要なんです」

『以前とは違ってずいぶん積極的になってきたね。良い兆候だ。いいよ。君の作戦に協力するよ』

確かにそのとおりだ。以前に比べて、私は積極的に動いている
それは事実だ。でもそれは、自分の将来と『家族』を守るためだ

『これから君の家に行ってもいいかな?途中でルミナさんも拾っていくから』

拾っていく。それはあんまりな言い方だが、事実そうなのだから仕方がない
これで作戦に重要な3人はそろうだろう。あとは練ることだ。作戦を。