時は夕方を迎え始めた。
部屋には夕日が入ってきた。幻想的な光景
いつもいつも見ているが今日の夕日は一段と輝いているかのように感じた
それはきっと、足から始まるであろう激闘の日々だからだろう
私は隠していたベレッタM92を取り出すとユウさんに習ったとおり銃を分解し始めた

「これをこうして」

私は慎重に銃を分解しながら整備をしていった。
そして最後まで分解が終わると、もう1度組み立てなおし始めた
今度も慎重に1つずつ確実に部品を丁寧に扱いながら

「これで最後ね」

銃のマガジンを装填するとスライドを1度引いた
これで弾が薬室(チェンバー)に補充され、引き金を引くだけで発砲できる
弾の残りは渚カヲルのときに1発使ったので14発。それだけあれば十分だ。

「明日からまた忙しくなりそうね」


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私とティアは相葉ユウに送られて無事に家に着いていた

「ねぇ、ルミナ、お酒の一本ぐらいないの?」

帰ってきて早々にティアは私にそう質問をぶつけた
私は思わずあきれそうになったが、それを何とかこらえた

「ビールでよければ冷蔵庫に入ってるわよ。好きに飲んでいいわよ」

私はビールなどほとんど飲まない。あくまでも『お客様』用に用意しているだけなのだが

「助かるわ。1本もらうわよ」

ティアは冷蔵庫から一本ビールを取り出すと早速飲みはじめた

「飲みすぎて酔いつぶれないでよ」

「わかってるわよ。私はそんなにお酒には弱くないわよ。ルミナも付き合いなさいよ」

私はお酒が飲めるほうではないので遠慮したいところだ

「私はお酒は飲めないほうだから遠慮しとくわ。私はさっさとお風呂に入って寝させてもらうわ」

「私はどこで寝たらいいのかしら?」

「リビングのソファーでも使って、ソファーベットになるタイプだからそれで眠れるでしょ。それじゃ」

たしかに私の家のリビングにあるソファーはテーブルで対面している形を取っているが
テーブルをよければベットにすることはできるだろう。あとは知った事じゃないが

「ねぇルミナ」

私がリビングを出て行こうとしたとき声をかけられた

「なに?」

「あなたって何者」

「ネルフ監察局監察部特別監察官ルミナ・アカネ。ただそれだけの人よ」

私はそう言うとリビングをあとにした
残されたティアは大笑いをしていた

「確かにそのとおりね。でもね。世の中そんなにまっすぐじゃないって事、あなたが一番知ってるでしょ」

そう、世の中、そんなにまっすぐじゃない。
綺麗事では語れないことがこの世界には大量に存在する

「私はルミナ・アカネ、それだけの存在よ。それじゃ、おやすみ」

私はティアにそう言うとお風呂に向かった