旅館を出ると駐車場にはユウさんが待っていた

「ユウさん、お待たせしましたか?」

「いや、少し前に来たところだから心配しないで。それよりもそっちは装備は完璧だね」

私の姿を見て言った。
私は今日は普段着ではなく、リクルートスーツを身にまとっていた
スーツの腰の部分には第三新東京市警察のバッジを見につけ、右腰にはベレッタM92が装備されている
まさに新米刑事って感じだ。一方ユウさんはベテラン刑事って言う感じだ。
歳は5つほどしか変わらないのだけど

「似合ってますか?」

「いかにも新米刑事って感じだよ。似合ってるよ」

その言葉に私は笑みをこぼした。

「ありがとうございます。荷物は後部座席に置きますね」

「そうしておいて。トランクには武器弾薬がどっさりと詰まっているから」

私がそっとトランク部分を見てしまった。
そこには確かにアサルトライフルやその弾やマガジンが収められていたボストンバックがあった
チャックの隙間から見えてしまったのだ。私はトランクを開けるとチャックを完全に閉めた
そして助手席に乗り込んだ

「チャックが少し開いていたので閉めておきました」

「ありがとう。それじゃ、行こうか」

「はい」

ユウさんはエンジンをかけると車を発進させた。
少しして私は車の振動に慣れたのか、睡魔が襲ってきた
眠っては悪いとは思いながらも、その睡魔がどんどんと襲ってきた
そこに追い討ちをかけるような一言をかけられた

「第三新東京市までかなり距離はあるからゆっくり眠っていると良いよ」

その言葉を聞き、私は睡魔に意識を手放した

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第三新東京市まであと、50km地点までは順調に来れた
前回はここでパトカーに職務質問を受けたのだが、今回はそれはなく。
変わりにルミナさんとティアさんが待っていた

「やっぱり来たわね。本気なのね」

ルミナさんの言葉に私は強く頷いた。
これで過去を清算できる。そのために行くのだから

「もちろんです。これですべてにけりをつけるつもりです」

「けりをつけてあなたはどうするの?」

ルミナさんの質問に私は当然のように答えた
答えなどずっと前から決まっている

「あの海岸の町で暮らし続けるんです。そして見守り続けるんです。世界を」

そう、私にはその義務があるのだから。世界を見守り続けるための義務が
それが前の『神様』との約束であり義務なのだから

「そう、わかった。2人ともこれは私達からの餞別よ」

そう言って、ルミナさんは私とユウさんにそれぞれ1枚ずつのフォルダをくれた
中に挟まれていた書類は私のは水川カオリ名義で黒髪の私が履歴書の写真に貼られていた。
簡単に言えば第三新東京市警察の人事記録書類だ。
ユウさんのほうを覗き見れば、彼も同じような書類を受け取っていた
2枚目は銃の携帯許可書類。3枚目は第三新東京市へ行くためのフリーパスみたいな物だ
4枚目は碇レイと惣流・アスカ・ラングレーの携帯電話番号だった

「これだけ書類がそろっていれば、第三新東京市に行っても怪しまれないでしょう」

確かにそのとおりだ。これだけ書類がそろっていれば、第三新東京市には簡単に入れる

「これが私達からの最大限の支援よ。あとはあなた達がどうにかするしかない」

「ありがとうございます。2人の携帯電話番号があれば誘い出すのは簡単です」

そう、誘い出すのは簡単だ。碇シンジの名前を出すだけで2人は食いついてくるだろう
2人がもっとも知りたい話題を私が提供してあげる。それを私が提供してあげる。2人は必ず食いついてくる
問題はネルフの動きだけだが、それは監察局が押さえておいてくれるそうだ。
スケジュールは完璧だ。あとは実行するだけだ

「もし失敗したらどうするつもり?」

ルミナさんが聞いてきた。だが、失敗する可能性はあるだろう。でもこの作戦は実行しなければならない

「必ず成功させます。そうでないと、私が前に進めないんです」

そう、私はこの問題を解決しないと前に進めないのだ。