第三新東京市ジオフロント ネルフ本部監房室
そこではカオリが収容されていた。

「水川カオリちゃん、いえ、碇シンジ君。どうしても「私の名前は水川カオリ!碇シンジと言う名前は遺言伝達人として聞いただけよ」

「そう。認めるつもりはないのね。今DNA検査をかけているわ。それですべてが分かる」

カオリはそんなことをしても無駄であることは分かっていった。この姿になった時にDNAや指紋を変えたからだ
そのためここにあるマギを使っても無駄な事なのだ

「ミサト、これ以上拘束することはできなくなったわ。安全保障理事会と監察局が口を出してきた」

「あのドブネズミたちが、いったいどういうつもりなの?」

「わからないわ。すぐに身元引受人が来るわ。到着までは3分よ」

そう言うとリツコは監房室から出ていった。残されたミサトはまだ言い足りないのか話をつづけた

「あなたのことを本当に思っている人がいるの?」

「私には海岸の街とあの旅館がある。小さな町が私にとって楽園。これ以上邪魔をしないでください」

そこに相葉ユウさんがやってきた

「カオリちゃん、遅くなってごめんね」

「ユウさん、どうしてここに来たんですか?」

「君の身柄を引き取るためだよ」

そう言うと手錠を外すようにミサトさんに言うと彼女は素直に私の後手錠を外した
その瞬間私は彼女の頬に一発殴ってしまった

「あなたのせいで貴重の時間を無駄にしました」

「それがあなたの決断かしら」

「1つだけ。伝言です。もう2度と『僕』達の前に現れないでください」

「もし約束が守られなかったら?」

「その時はお互い血を見ることになるでしょうね。私はもう決めたんです。あの町で過ごすと」

すると相葉ユウさんも応援する言葉を言ってくれた

「僕も君のことを守るよ。僕もネルフは嫌いだからね」

「それはあなたが元ゼーレの人間だからでしょ。そんな人間と一緒にいて幸せなの?」

「ユウさんのことはよくわかっています。たとえどんなことがあろうとも信じています」

「その言葉を聞けると嬉しいよ。それに僕以外にも応援が来てくれたよ。ルミナさん待っていましたよ」

「これが身柄引き渡し書類です。今後彼女のことについては我々監察局を通してください」

「もししなければ?」

「ネルフの権限の縮小を提案します。特に保安諜報部についてのね」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・わかりました。ではわたしはこれで」

ミサトさんはそう言うとこの場から去っていった
ルミナさんとユウさんと一緒にネルフ本部を出ると監察局に向かった

「これから何が」

「少しね。書類整理をしてからあなたを送り出すことになっているから」

そう言うと私とルミナさんとユウさんの3人は監察局に入っていった
そこで簡単な事情聴取とネルフの対応方法についていくつか話し終わるとヘリで送ってくれるとのことだった
私は車でも良いけどと断ったのだが早く帰りたいって顔に書いてあるわよとルミナさんに言われた
そこまで言われた仕方がない。私とルミナさんとユウさんはヘリで戻ることにした
ヘリで戻ればわずか30分ほどで到着することになった。ルミナさんの家の敷地内にある草原地帯に降り立つ
そこからはユウさんの車で私は自宅である旅館に送られていった
私が自宅につくと両親が迎えてくれた

「カオリ!大丈夫!」

「カオリ!無事だったか!」

お母さんとお父さんは私のことを深く抱きしめた
私もそれにこたえるように抱き着いた

「それじゃ僕はここで。カオリちゃん、何か悩み事があればいつでも連絡してね」

「はい!」

私は元気よく返事をするとユウさんはまたねと言って車を発進させた
私は旅館の中にある自分の部屋に戻り、小型冷蔵庫からコーヒー缶を取り出すと飲んだ
ちょうどよく渋みがあり、冷静になれた。今の私に必要なのは冷静さだ
あの状況下でよく発狂しなかったのかという疑問の考えを思う
ネルフ本部は私にとって嫌な思い出しかない。絶望した先に迎えたのは天国ではなく地獄だった
私はそれを少し修正して良き方向になるように歯車を入れ替えていった
それでなんとなると思っていたが今度は恐れていた大波が訪れてきた
まるで悪夢のような光景だった。ようやく自分自身でケリをつけることができたのに
問題なのはどうやってこれからの生活を送るかだ。1度ネルフに関わった以上、また来るだろう
どんな手段を使ってでもこの安息の土地が穢される。それだけは何としても避けなければならない
しかし、今はこの貴重な時間を過ごす事にした