第三新東京市 ジオフロント ネルフ監察局 局長執務室

「ルミナ。君は相変わらず問題を起こすのがうまいね」

「局長に言われたくありません。あなたも同じ穴の狢だと思いますが」

「確かに僕も同じだね。ネルフの強引さには呆れる事ばかりだからね」

局長室ではルミナと局長の蒼崎マモルが話し合いをしていた
議題はネルフに対する対応についてだ。彼らは強硬なまでにあの海岸の町に対する監査を要求してくる
もちろんそんなことを許すわけにはいかない。ようやく平和になった世界を再び嵐の中に持って行くことなど
どの国の政府も望んでいない。彼女のためならネルフそのものについて協議まではじめそうな勢いなのだ
しかしそれを妨害するのが保安諜報部だ。彼らの役目はネルフ内で極めて大きい

「それにしてもまだネルフはカオリちゃんのことについて諦めていないとはね」

「私も同意見です。あれだけ忠告をしておいたにもかかわらず、接触を図ろうとするとは思いもしりませんでした」

2人にとって頭を悩ますのはネルフがあの町の行政機関に職員を送り込もうとしている事だ
そうすることであの町を監視下に置こうとしているのだ。しかしそんなことを許すほど今の政府は甘くない
日本政府も自国内で大規模災害が起きる事は何としても避けたいと思っている
彼女の影響力は極めて大きいのだ。それだけ欧州には彼女によるダメージは大きい
今も完全復旧に至らない地域は存在する。そのため毎年のように彼女の警護に対する予算は多くても通過してしまう
戦略自衛隊もあの町の監視を強化している。国連軍も同様だ。共同で監視作業に入っている
もちろん彼らには気づかれないようにだが、勘の良い人間。つまり元ゼーレの人間だっとされる相葉ユウ。
あの男だけは気づいているであろうことは2人には察しがついていた。しかしそれが彼らにとっては安心感を与えていた
警護につけるにはもってこいの人材だからだ

「私としては今後も彼に情報を提供をするべきです。私が戻るまでは彼に警護を依頼しなければなりませんから」

「確かにそうだね。彼は有益な人材であることは変わりない」

局長である蒼崎マモルもルミナと同じ意見のようだ
いまあの町で水川カオリを守れるのは彼だけであることは分かっていた

「ようやく得た安定だ。大事にしたいね」

「はい」

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私は局長との会議を終了すると、自分の所属する部署に戻っていった
すると部署の責任者であるシエラ・ドーレス部長と出会った

「部長。何かお話でしょうか?」

話しかけると部長は1枚の紙を手渡してきた。それは再び海岸の町に戻るために必要な出向許可書だった
これであの町に戻ることができる。

「感謝します」

「気を付ける事ね。ネルフの動きが激しくなっているわ。国連にも圧力をかけ始めているけど」

今は監察局の力が強いから抑え込むことができているわと言ってきた
だからよく警戒するようにと伝えてくるとその場から去っていった。私は自分のデスクに戻ると荷物をまとめ始めた
すると同僚のティアが話しかけてきた

「戻るのね?」

「戻るわ。私の使命は彼女の安全を守る事だもの」

「気をつけなさい。ネルフの情報は私から逐一回すから」

ティアの援護射撃にありがとうと言うとすぐに荷物をまとめて駐車場に行くとジオフロントから
そして第三新東京市を出ていくと、海岸の町に向かっていった