海岸線がきれいに見える砂浜に到着した私は、お父さんから頼まれたお酒の注文を酒屋さんに出すと砂浜に降りた
綺麗に見える光景の海。まるで海の色が反射しているかのように今日は空の色が一段と青かった
まさに青天だ。ユウさんが車でやってくるといつものように路肩に車を止めてカメラとサンキャンをもって砂浜に降りてきた
私はいつものようにおはようございますと挨拶をするとユウさんはルミナさんに関する情報をもたらしてきた

「カオリちゃん。あれからもう時間が経過するけどどうかな?」

「平和ですよ。また訪れた平和に安心です」

「ルミナさんの方は少し大変みたいだね。耳に入れておいた方が良いと思うから話すけど」

今日か明日には戻ってくると彼は告げた。その事に私は少し安堵を浮かべた
しかしそんな中でも少しの疑念がある。どうして私がこんなに守られているのか
それだけは私にもわからなかった。そればかりはどうしようもない。
守られるのには理由があるけどそれを聞くのが怖かった
少しの怖さだが、真実を知るのに恐怖を感じていた。だから今はまだ良いと考える事にした。
この数か月で私の人生は大きく変わった。真実を話すわけではなくネルフとの決別
そして、ようやく勝ち得たこの町での平穏な暮らし。それは私には勝利と呼べるものだった
しかしこれは嵐の前の静けさの可能性は十分にあった。それだけは何としても避けたかった
ようやく勝ち得た物だけに大事にしたいからだ。平和は戦争の前の出来事だと誰かが言っていた
でも私にとってはこの平和が永久に続くことを願っていた。どれほどそれが甘い願いだとしても
それが今一番の望みだった

「カオリちゃん、たまには射撃訓練に来ても良いよ。腕を鈍らせるともったいないからね」

「それは分かっているんですけど。お母さんとお父さんは敏感だから」

そう、火薬のにおいにはなぜか敏感だった。だから射撃訓練に行く事は極力避けてきた
いつも練習をすると、両親に気づかれてしまう。それで心配をかけるのではないかと思って
なかなか足がそちらに向けられることはなかった

「そう言えば、今度の第二東京市の旅行の話だけど、今度ルミナさんと話を詰めておくよ」

もう良い頃だと思うしねと彼は言った。確かにあの事件からもう時間は経過してしまった
旅行に行くにはそろそろタイミング的には良い頃合いだ。始めていく第二東京市。私にとってはそれは楽しい旅行だ。
この町から出てことがあるのは第三新東京市だけだからだ。
それも買い物だけでいつも観光名所などをめぐるようなことはしてきたことはない
だからこそだろうか。旅行に憧れがあるというのは。

「お願いします。わたしには第二東京市には行ったことがないので」

「カオリちゃんはどんなところが行きたいかな?」

「人々の生活しているところが見たいです。第三新東京市とは違った街だと思いますし」

「そうだね。第三新東京市とは違ってあそこは一応首都という扱いだから。人も多いだろうね」

「そういうところを見ていきたいですね」

分かったよとユウさんは言うとまた私の写真を取り、一緒に練習に行くかいと聞いてきた
私はすぐに良いですと言った。すこしは練習をしてくるのも良いかもと思った
私達は海岸線沿いに止めているユウさんの車に向かうと彼の家に向かった

「ルミナさん、ようやく戻ってくるんですね」

「そうみたいだね。彼女も忙しいみたいだから」

「ルミナさんはどうして私のことを「その事は今は話すのはやめておこうね。結果が出ない話もある」そうですか」

私達が乗る車は海岸線沿いの道路を走行するとすぐにユウさんの自宅についた。
家の玄関前にはルミナさんが待っていた

「お2人でお帰りなんてお熱いわね」

「ルミナさん。もしてして私達の関係を嫌っていますか?」

彼女はあなたが幸せなら文句をつけるつもりはないわと答えてきた
その言葉に少し安堵の心を持った。家族、つまり旅館の人以外にようやく得た友人
始めて愛してしまった相手を失う事を怖がっていた。碇レイにも言ったが、ようやく勝ち得た平穏を奪われたくなかった