砂浜から少し離れた位置に存在する相葉ユウさんの家。木造の家で落ち着いた空気が漂っている
ただし地下だけは別だ。そこには多くの銃の保管スペースが確保されている
今はまだ使用されたこともない銃がほとんどだが様々な種類の銃器が保管されている
そんな中、射撃練習スペースで私も銃の射撃練習をしていた
もちろん持ってきてはいないため同じ型の物を借りての練習だった
こういう事はやっぱり経験がものをいう世界だ。わたしなんかよりもユウさんやルミナさんの方が腕は良い
私なんてまだまだ的に当てるだけで精一杯だ。それでも練習はしていこうと思っている
今後、いつ必要な状況に追い込まれるかどうかわからないからだ
備えあれば患いなしだ

「カオリちゃんは成長するのが早いね。この短期間で的に全弾命中させることができるんだから」

ユウさんは私のことをそう評価してくれた。それについては私には不明だ。
銃の腕が良いのか悪いのかは専門家でないとわからない。私はまだまだ素人なので詳しいことは分からない
ルミナさんはとなりのスペースで射撃練習をしていたが、腕はかなりの物だ
私なんかよりも断然腕は良い。ほぼ全弾的の中心部に命中していた

「カオリちゃん、腕は良いよ」

私はそれからも50発近く弾を発砲して練習するが、的の中心に命中したのは数発だけだった
撃ち終わると私とユウさんとルミナさんの3人で地下から上に上がり、リビングのソファに座ると今度の旅行の話の始めた

「それでどこに行くのかしら?」

さっそくルミナさんからの先制攻撃だ。私が答える前にユウさんが答えた
第二東京市に行く事を話し始めた。始めていくところだ。ネルフからの妨害が100%ないとは限らない
そのため、ルミナさんも一緒に行くと言い出した。
しかしその事はユウさんは計算のうちだったようでわかっているよと答えた
どうやら2人には暗黙の了解があるようだ。
私には詳しいことはわからないが、それでも計画が進めばそれで問題ないと考えていた

「カオリちゃん。あなたには身辺警護がついていることは分かっているわよね」

「はい。少しは感じています。でもどうして私に?」

「あなたにはそれだけの価値があるといろいろな事を考える人が多いのよ。だから私がここにいる。ここでの護衛担当は私。あなたには話したくなかったけど」

こうなった以上仕方がないわねと言った。もう隠蔽できる領域は超えてしまったとも

「これからはこの町を出る時は私か彼に護衛をお願いする事になるわ。町は戦略自衛隊と国連軍が張り付いてくれているわ」

あなたに迷惑が掛からない程度にねと

「どうしてそこまで」

「さっきも言ったけど、あなたにはその価値があるの。人を数字で評価するのは私の主義に反するけど、あなたはあらゆる意味で重要視されているの」

「それって私のことを」

「その事を知っているのは限られた人間だけよ。あなたの立場についてはさらに限られた人間だけしか知らない」

「私が「それ以上は話さない事の方が良いわ。どこ盗聴されているかわからないからね。幸いここと私の家、あとあなたの家は常にチェックされているから問題ないわ」」

「どうやってチェックを?」

私の質問にルミナさんは定期的に電気メンテナンスが来ているでしょと言った。
確かに数か月に1度電気メンテナンスの職員が来ていて
様々な地点の電磁波などを測定していた。
ただの電気メンテナンスにしては多いなとは思っていたが、まさかそんな裏事情があるとは思わなかった
だがこれでこの町が安全に保たれているなら少しは安堵をすることができる。
監視されたうえでの安全など嫌だが、平和に暮らせるなら少しは妥協するしかない
平和に暮らしたいのだ。今はこの町で。こんなささやかな願いをかなえれるなら。
生きることができるならそれだけでも幸せだ