海岸の町に繋がる道
私はレイと一緒にバイクに乗って向かっていた。今のところ気づかれたという気配は感じられない。
このままいけば良いのだがまだ検問所は1か所残っている。しかし幸運な事に入る事には厳重だが
出る事はにはあまり警戒は払われていないため、私が作成した偽造IDで通過することができていた
今のところ私の計画通りにプランは進行していた。あとは無事に通過できるかだ
街を無事に出たいが、簡単に行くとは思えない。でも私は強行してでも第三新東京市を出る気だった。
それが私の決意だった

「アスカ、大丈夫なの?」

「レイ、一応はね。警戒は怠らないで。警察無線を聞くための無線機をいただいてきたんだから」

そう私はネルフの保安諜報部にいる加持さんの執務室から無線機を1台『借りて』きた
もちろん加持さんには内緒だけど。これで警察無線は完全に傍受できている。
さらにネルフが使っている無線周波数も聞くことができる。
念のため無線機を分解したら予想通り発信機が組み込まれていたので取り外した

「警察には今のところ気づかれていないわ。ネルフの無線にも私達の情報はまだ流れていないわ」

「どうやら誰かの力が働いてくれているのか私達の幸運がついているのか」

恐らく後者だろう。まだ私達に幸運があるだけだと考えるのが妥当だ
海岸の町までは2時間ほどで到着予定だ。一応海岸の町に宿泊するためにあの旅館に予約を入れている
もちろん偽名でだが。直接対決するつもりなのだ。私ももう逃げる事はやめた
正面からぶつかって正直な言葉をぶつける。レイもそのつもりだ。だからこそこんな無茶な計画に賛同したのだ
カオルがどう行動するかはわからない。私達には表面的には協力はしていたがどこかに連絡していた
つまり表向きという事でおそらく、いや実際は監察局の犬になったのだろう
彼らに協力する事で何か見返があったと考えるのが妥当だ

「カオルの奴、なにを考えているのかしら」

「彼は私達とは敵対関係なの?」

「あいつは嫌な奴。自分の利益のためなら私達を犠牲にするタイプよ」

「カオルは何を考えているかわからないタイプね」


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海岸の町 ルミナの家

「それでセカンドチルドレンとファーストチルドレンが第三新東京市を出たんですね」

『そういうことよ』

私は直属上司であるシエラ・ドーレス部長と連絡を取っていた

『偽造IDまで作って街から逃走を開始したわ。今のところ最後の検問所を通過したのを確認。あと1時間30分もすればそちらに着くわ』

どうして止めれなかったんですかと文句を言いたいところだが、いまさら言ったところで手後れだ
問題はどうやって処理するからだ。そして最大の問題は彼女たちが宿泊予定なのがあの旅館という事だ
いやでもあの子と向き合うことになる。精神的にようやく安定してきた彼女にはきつい再会だ

『ルミナ、もう覚悟するしかないわ』

「冗談ですよね?」

『もうかばいきれる段階を突破したのよ。あなたも覚悟して』