アーレイバーク級駆逐艦ライチ CIC

宗谷真霜さんからの報告に俺は内心では苦労することができるのではないかと疑っていた
教員艦である彼らの艦はあきづき型護衛艦であることを知っている
彼らのレーダーはこちらの情報が正しいならFCS-3システムを採用しているはずだ

「艦長、いかがされますか?」

「保険は必要だろう。再度火器管制システムをスタンバイにしておけ。出会った瞬間いきなり攻撃という可能性もある」

「了解」

このままのペースでいけば合流する時間は最も遅くても1時間後だ。
早ければ30分以内には合流することになる
既にレーダー射程圏内に入っているため万が一に備えての対応も万全だ
魚雷だろうが砲弾だろうが、撃ってくればいつでも正当防衛攻撃をする用意はできている

「緊張の連続だな」

「艦長。我が艦の立ち位置はいかがされますか?」

立ち位置。一応今のところブルーマーメイドの協力艦となっているが未登録船籍艦であることには間違いない
そしてここにある設備を見られたらかなりまずいことになる。ある程度見物人は限定しなければ
そんなことを考えていた時火器管制をしている精霊から緊急報告が上がってきた

「方位90度から火器管制レーダー照射を確認。攻撃を目的とするものと思われます」

「発信元は?」

「ホワイトドルフィンです」

仮に火器攻撃の目的ではない照射だとしても
もし攻撃を受けるような事態は避けなければならないし
この艦を預かっている以上、守ることは当然だ

「水上戦闘用意だ」

「了解。水上戦闘用意!」

さらにソナーから新たな潜水艦の情報が入ってきた。
方位64度、距離4000m。深度60mとのことだ

「ホワイトドルフィンに打電。本艦はライチ。現在ブルーマーメイドの宗谷真霜さんと協調行動中と」

「了解」

打電のおかげで火器管制レーダーは停止した

『こちらホワイトドルフィン。打電内容を了解した。貴艦への到着予定は30分以内には到着できると思われます』

「了解。こちらは現在、現海域ではれかぜや武蔵と共に停船中」

補給活動中と伝えた。補給と言っても真水の補給だけだが
ちなみにルイス・アンド・クラーク級貨物弾薬補給艦には真水の保管量が5万バレルもある
そのほかに艦艇燃料が2万バレル。冷蔵冷凍食品が2000トン近くある。
兵器などの物資を収納するドライカーゴスペースには最大の7000トンの物資を搭載していた
さらにヘンリー・J・カイザー級給油艦には18万バレルの燃料と20フィート冷蔵冷凍コンテナが8基搭載されている
当分の間は物資には事欠かないことは間違いない。