ライチが現場海域に到着したころにはすでに夜になっていた。
照明をつけて周辺の捜索活動を行うことを宗谷真霜さんが乗船しているインディペンデンス級沿海域戦闘艦
そしてホワイトドルフィンの艦艇1隻と共同で行うことを通信で協議した結果だ
精霊たちは敵が不用意な行動することを想定して全員武器を携帯していた
俺もグロック17を装備していた
「状況はどうだ」
水川トオル艦長はホワイトドルフィンの艦艇に移ったため
偵察衛星から送られてきている衛星画像を大型スクリーンに映し出してCICで見ていた
「最新の衛星からの画像によるとミサイルを発射したのは間違いないですし撃沈もしています」
情報端末を操作している精霊が答える
低軌道を周回している人工衛星3基から随時情報が送られてきている
既に日は落ちている。衛星から送られてくる衛星画像にも限界がある。
もちろん、これらの情報を彼らに見せるわけにはいかないが
『ブリッジからCIC、撃沈現場付近にまもなく到着予定。照明で周辺海域を捜索します』
「救助者の中に敵が混じっている可能性が高い。注意しろ」
『ブリッジ、了解』
周辺海域をブルーマーメイドとホワイトドルフィンの艦艇と共に捜索したが成果はなかった
完全に沈んでいるようだ。ミサイル攻撃によって撃沈されているようだ
「何も残っていないな」
CICから俺は外の様子を見ることができる大型スクリーンで状況を確認していた
「ハープーンミサイル攻撃をまともに受けたようですので死体ぐらいでしょう」
「攻撃などしなければこんなことにならないのに」
「ホワイトドルフィンの水川トオル艦長から入電です」
「こちらライチ、何かありましたか?」
『救助者を確認したが武装していた。海賊であることは間違いなかったようだ』
攻撃は正しかったという事だ。だがそれにしても不運な連中だ。
近くにブルーマーメイドやホワイトドルフィンの艦艇がいるのに攻撃を仕掛けるとは馬鹿な連中と言える
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横須賀女子海洋学校 校長室
私はその報告を受けて驚いていた。10km以上先の標的に攻撃ができる。
それも正確に、確実にターゲットにロックして
恐ろしいものだ。この横須賀をターゲットにされたらどうなるか
想像はしたくない。彼らが何を要求してくるかわからないが
事と次第によっては条件を無理やりにでも飲まざる得ないかもしれない
「補給艦が一緒にいるという事は、その補給艦にも兵器が積まれていると?」
『おそらく、もし攻撃目標が横須賀なら港そのものならお母様の立場が危うくなるわ。どうします?』
娘の真霜からの報告に私は悩んだ。このまま横須賀港に入れば事態が悪化するのではと
ブルーマーメイドの戦力をぶつけてもどこまでやれるか。
「交渉をしましょうと返答を」
『わかりました』