俺はアーレイバーク級駆逐艦ランチの艦長しては新米だ
航行や戦闘行動などの技術も精霊さんたちに頼っているところが多い
艦長室で仮眠をとっていた。休みは彼らの言う通り必要だ
疲れがたまっていたのか、俺は艦長室のベッドに横になるとすぐに眠った
幸いなことに横須賀港近辺に到着するまでに何もなかったようで
港の沖合10km地点で待機する手はずを精霊さんたちは整えていた

「みんな、いい仕事に感謝するよ」

「艦長、火器管制システムを起動をフルに展開しても問題はないですか?」

CIC統括管制官の言葉に俺は問題ないと答えた
どうなるかわからないからだ
状況によっては戦闘が行われるかもしれない
そういったことは避けたいのだが、状況が状況だけに仕方がない
そのとき海上安全整備局から無線連絡が入ってきた
横須賀港の入港許可についてだ

「こちらアーレイバーク級駆逐艦ライチ。何番埠頭への入港でしょうか」

『データを転送します。受信されたし』

送られてきたデータはCICの周辺海域や空域の情報が大型スクリーンに表示されている
そこに映し出された場所は横須賀女子海洋学校の教育艦艇の船舶が停泊される場所だ

「艦長、場所の変更を進言するべきです」

統括管制官の精霊は自分たちが乗っているこの艦の位置が固定されたら撃沈されかねないと
だが俺は今は敵対する意向は無いようだと判断した

「宗谷真霜さんの母親が校長をしている場所で戦争はないだろう」

と俺は指示を出したがただしライチに不用意に近づくものへの警告行動は行えと忠告を付け加えた

「了解」

機密保持が必要な場所、つまりCICやガスタービンエンジン室など
そこに警備のために武装した精霊さんたちを配置した
そして指示通りの桟橋にライチを停船させた。俺は船から桟橋に降りた

「はじめまして。アーレイバーク級駆逐艦ライチ艦長の相葉ユウです」

こちらがあいさつをすると横須賀女子海洋学校の校長であると思われる女性が言葉を発した

「はじめまして。横須賀女子海洋学校校長の宗谷真雪です。今回は生徒たちを助けてくださって感謝します」

「ですがブルーマーメイドの艦艇を事実上撃沈に近い形までにしたことについては申し訳ありません」

そう。さるしまを事実上撃沈させたことは事実だ
その影響は大きい。おそらくだが、
彼女も1発のミサイルでさるしまを撃沈したライチに脅威を抱いているだろう
下手をすれば世界の流れを変わるかもしれないからだ
表向き人工衛星が存在しない世界なのだから
存在するのは我々が保有する4基のみ
この技術だけは絶対に明らかにしてはならない。
人工衛星による火器管制システムも含めてだ