アーレイバーク級駆逐艦ライチ CIC

俺たちは港を出港すると一度横須賀港の沖合で補給活動のための用意を始めた
補給艦2隻は沖合3km地点で待機していた
そこで燃料の補給作業に取り掛かった

「艦長、補給作業予定海域に到着。周囲に不審な船舶や潜水艦は探知されず」

「よろしい。燃料の補給作業に取り掛かれ」

俺はそう指示をすると補給作業が開始された。
最も緊迫する瞬間だ。ある意味では無防備の状態になるためだ。
本来であれば我々以外の他の艦艇に護衛を要請したいところだが、今はどこも忙しいようだ。
幸いなことにホワイトドルフィン所属の艦艇が1隻少し離れた位置から警護してくれている

「総員に通達。警戒態勢を厳とせよ。何か不審な動きがあれば即時報告してくれ」

「了解」

俺は管制を担当している精霊たちと共にCICで各種レーダーやソナー。
さらに衛星画像で周辺海域を確認していた

「平和だな」

「今のところはですが。レーダーやソナーでも、今のところ不審な反応は現時点では確認されず」

燃料補給はあと10分ほどで終わるという事だ。補給を終えると海上待機にすることにした
また港内に戻っても良いのだが。今は船舶の出入りが激しいことがレーダーや衛星などで把握している

『ピーピーピー』

「艦長、ブルーマーメイドから広域通信を受信。補給艦も入港するかどうか確認したいとのことです」

通信担当の精霊からの報告に俺は悩みを抱えた
もしかしたらこちらが所有している兵器の分析をしたいという思惑があるのかもしれない。
もちろん衛星による誘導ができるという事が発覚したらトラブルという事では済まない

「補給艦を入港させたら我々の技術が漏れる可能性が」

武器管制担当の精霊の言うとおりだ。だがいつまでも隠していられる状況ではない
いづれは発覚してしまう。問題はどこまで事が進んでしまうかだ

「入港させよう」

「艦長!リスクがありすぎます」

「補給艦にもこちらと同様の警備態勢を敷いてネズミ一匹も入れない警戒態勢を敷くんだ」

「了解」

これである程度は時間稼ぎはできるだろう。
ブルーマーメイドとホワイトドルフィンがどこまで情報戦をしてくるかだ
すべては俺の判断一つで状況は一変する。これからは言葉を選ばないといけないのだ
補給艦2隻にも連絡をして我々3隻は横須賀港に入港する行動を開始した

「何があるかわからないからな。総員警戒態勢を維持せよ」

俺はそう指示を行った。本当に何があるかわからない
スパイがいるかもしれないからだ。もっともこの艦を運用しているのは精霊だ
簡単に侵入できるとは思えないが、もしもの場合に備えておく必要がある
万が一というのは重要なことなのだ