横須賀港にもう1度入港すると多くの人々が待機していた
俺達はこの艦で扱うすべて機密情報は情報封鎖を行っている
簡単には発覚する事はないだろうが、それも時間の問題であることは容易に想像できていた
それだけに入港後の警備レベルは最上級の警戒態勢を取っていた
この艦の乗組員である精霊たちは全員拳銃を装備している
俺は装備するわけにはいかないので護衛をしてくれる精霊さんに守ってもらう形をとっている
何があっても問題ない状況になっている
さらにいつでもミサイル発射ができるように携帯情報端末を護衛を担当してくれている精霊さんが持っている
最悪の事態を想定する事が当たり前だからだ
いつブルーマーメイドやホワイトドルフィンが攻撃をしてくるかわからない。
俺には艦を守る義務がある。だからこそどんな汚い手段だとしても覚悟はできている
横須賀港の人々を犠牲にしてでも艦を守るのだ

「また会いましたね。宗谷真雪校長」

「そうですね。1つ質問をしても良いですか?」

「なんでしょうか」

「流れ星について何か知っていますか?」

やはりこの質問が来た。海上安全整備局でも観測しているようだ
だが正解を答えるわけにはいかない
もし答えたらとんでもない事になるのだから

「こちらでは何も把握していません。我々でも万能ではないので」

苦し紛れの言い訳だが。今はそう主張するしかないのだ
正論ばかり唱えていたらすべてが正しいと判断されないからだ
時には偽りの事も重要なのだ。偽装情報を混ぜ込むことでうまくこちらの掌で踊ってくれたらいい
俺達はブルーマーメイドの会議室に案内された。もちろん警護のために女性精霊が一緒に伴ってだ
彼女は拳銃を所持している。宗谷真雪校長は武装解除をしてもらえないですかと提案してきた
しかし俺はそれを拒否した。どんな状況になるかわからない以上、護衛は必要だと断言した

「わかりました。ただし生徒の前ではできるだけ隠しておいてください」

「もちろんわかっています」

俺と宗谷校長と話し合いを始めた

「相葉ユウさんはどうしてあの船の艦長になったんですか?」

「建造において様々な技術開発スタッフ関係者との中継役をしていたので艦長に就任しました」

「あなたのご両親はどうなったのですか?」

腹の中の探り合いをするのは正直言って嫌なのだが、でも今は対応しなければならない
何としても今は事実を隠ぺいするしかないのだ。真実を話せばことは面倒になる
ライチに使われている様々な技術は重要な機密が含まれている
イージスシステムと人工衛星に関する情報は絶対に公表してはならない
どんな手段を使ってでもだ。必要ならミサイルを様々な拠点に撃ち込む必要がある
その後も話し合いを続けたがお互い腹の内を探り合いをするばかりでもどかしい状況だった

「補給艦に積み込まれている兵器を見せていただけますか?」

「わかりました」

「艦長!それは」

護衛の女性が拒否するべきだと反発したが、いつかは見せないといけない事だと彼女を説得した