「お見せするのは良いですが。宗谷真雪校長さん、ある程度人数を絞っていただけますか?」

「なぜそこまで補給艦に積み込まれている兵器を見せようとしないのですか?」

宗谷真雪校長はどうしてもみたいようだ。我々の技術に恐れを感じているからだろう
何百kmも離れた目標に正確に攻撃できるのだから
ここを攻撃することなど、そんなことは簡単な事である
それを彼女は心のどこかで察しているのだろう
こちらとしてもすべてを見せれば事態は最悪の展開になる

「我々にとっても機密にあたるものも含まれているからです」

ブルーマーメイドやホワイトドルフィンであっても、
機密情報を無制限に開示してくれるなら話は別ですがと、
反撃するとさすがに無理であると考えたようだ。
機密事項にあたらない範囲での情報開示で問題ありませんと宗谷真雪校長は承諾してくれた
早速、俺たちは補給艦に向かう事にした。会議室を出ると護衛役の女性精霊が携帯電話で連絡をした
宗谷真雪校長など、限られた人間のみで補給艦が接岸している港に向かった
補給艦に乗船する前に念のため身体検査を受けてもらった
備えあれば患いなしというのだから。
武器を見せる事になるが海上安全整備局が運用する艦船には墳進魚雷という装備があるので、
VLSに搭載されているミサイルを見せても問題ない
ただし何度も言うようだが人工衛星による誘導機能については明かしてはならない
これだけは何としても守らなければならない事である
もし事実が漏洩すれば事態は最悪になるからだ
それだけにも何としても慎重な対応が求められる
会議室で携帯電話で連絡した護衛をしてくれている女性精霊はそのことを小さな声で伝えていた
機密を明かすわけにはいかない

「これが燃料補給艦です」

ヘンリー・J・カイザー級給油艦の艦内を案内する
艦内の様々な場所には拳銃を装備した警備を担当する女性精霊さん達がいた
宗谷真雪校長は少し警戒感を持ちながらも案内を聞き取っていた
給油艦の案内は比較的すぐに終わった。問題はルイス・アンド・クラーク級貨物弾薬補給艦だ
ミサイルなどの武器弾薬を大量に保管している。
そのミサイルの性能などについては既に情報封鎖作業は完了しているので問題ない、はずだ
これから先はまさに気を緩める事ができない時間である
わずかな穴から大きな穴になってしまうのだから
緊張した時間を過ごすことに俺は内心では頭痛を感じていた
とりあえずルイス・アンド・クラーク級貨物弾薬補給艦に向かい、
乗り込むと給油艦よりも警備がかなり厳重になっていた
当然と言えば当然である

「いろいろと積載されているのですね」

宗谷真雪校長はそう言った。この船には一応給油艦ほどではないが燃料も積み込んでいる
さらにさまざまな物資も搭載している。ミサイルから食品まで幅広い分野にわたっている