「どのような兵器を搭載しているのですか?」

宗谷真雪校長さんからの質問に警護を担当してくれている女性精霊さんが、
簡単な概要報告書を彼女に提供した。もちろんすべてが記載されているわけではない

「すごい兵器ですね」

「金食い虫ですが、それに似合っただけの性能を持っています」

俺はうまく真実とウソを混ぜながら話を合わせていった
ここが正念場である。

「兵器の一部をブルーマーメイドの研究所で確認しても良いですか?」

「それはダメです」

俺が答える前に精霊さんが否定した
当然のことだ。1つでも降ろせば『真実』が露見する事になりかねない
そういう事態は避けなければならないのだから
1つでも兵器を提供すれば人工衛星の存在が発覚する事になる
慎重に事を進めなければならない

「なぜそこまで秘密主義なのか教えてもらえますか?」

「我々にとっては宗谷真雪校長さん。あなたは信頼できますが。他の方がどのように利用するかわからないからです」

精霊さんはうまく話をそらしていった
本当に胃が痛くなりそうな思いをしているのは俺である
彼らにとって興味があって仕方がないのだから。
だから俺は艦内のあちこちに銃を携帯した警備態勢を敷いているのだ
あとはそれなりに補給艦の見学会が終了した。

「今後の行動については海上安全整備局と協調した行動をしてくれるという事で考えていいのですか?」

「我々も無用な敵を作るつもりはありませんので、可能な限りあなた方と協調行動をとります」

補給艦から降りると宗谷真雪さんたちは、俺は海上安全整備局との交渉を任せる事にした
今、頼りになるのは彼女たちなのだ。外部との交渉の窓口では特にだ
とりあえずの補給艦の見学会を終えたので俺はライチに戻る事にした
今はライチの艦内が最も安全の場所であることは事実だ
それにいつでも攻撃できる準備は整っている
戦争とはわずかな誤解で発生するものなのだ
きちんとした意思疎通ができなければ危険は増す一方だ
平和と戦争は紙一重なのだから。今のこの世界は平和なのかもしれない。
それもいつまで持つかわからない。こちらの攻撃能力を駆使すれば最初の内は勝つことができるだろう
だが、それも短時間の内だ。長期戦には向かない。短時間での戦闘力が高いに過ぎない
俺は少しでも安定した状況になる事を望んでいる。そうでなければ危険だからだ
安全保障の関係からこの情報は伏せておいた方が今はそれが良い
俺はライチに戻るとCICに戻った

「状況は?」

俺は統合管制官に現状報告を求めた。

「現在のところ、不審な動きは確認されていません。無線は常に傍受しているので何かあれば即座に対応できます」

さすがは優秀な戦闘指揮を執る統合管制官だ
常に警戒に当たっているのは当然のことだ