俺達は今のところ横須賀港から南に向かって航行していた
CICで何か異常がないかを確認していた。できることなら潜水艦が近づいてこないことが良い
いつ俺たちが狙われても良いように用意をするのは当然だ
こちらは言ってみれば海上安全整備局から見れば真実を暴くためにどんな行動をするかはわからない
確かにブルーマーメイドの彼らは信用できる。だからと言って全面的な信頼ができるはずがない
理由は簡単である。どこかの勢力がこちらを狙ってくるかは見当もつかない
何らかのアクションを起こしてくることは想定できる
海上安全整備局の幹部の中には俺達の存在に脅威を感じているかもしれない
それだけにいつ攻撃されるかはわからない。
「俺たちは火薬庫の中をろうそくを使って歩いているのと変わらないな」
いつ起爆するかわからないような状態であることは間違いない
たとえはじめは小さなものでも、『火薬庫』の中でそんなものが始まったら吹き飛んでしまうことは間違いない
そんなリスクを背負うのはかなり危険。危険というレベルではない
最悪の場合はとんでもない状態になることは明らかだ
そうなれば後始末をするのは簡単にできるものではない
どれほどの規模の『爆発』になるかは想像したくないほどである
情報漏洩を避けるためにも影響は最小限にするために、
時には非情な方法を選ばなければいけないこともあるだろう
「ひどい状態になる前に対応しないとどうなるか想像したくない」
俺のつぶやきはしっかりと聞こえていたようで、CICで管制官をしている精霊さん達も同じ考えを持っていた
お互い共通の認識を持ち、常に統制が取れていなければ素早い対応はできない
問題が発生した場合はすみやかに『問題という火薬庫』、
それが吹き飛ぶ前に『消火』しなければいけないことも確かである
「艦長。方位003。距離1200mでスクリュー音を確認」
ソナー役をしている精霊さんが後方から追尾する潜水艦を探知したことを知らせた
この世界の潜水艦は原子力潜水艦ではないので、蓄電池を利用したタイプだ
俺たちが乗っているこの艦船のソナー装備は極めて高性能であることから、
この艦とよほど離れていないと探知することは簡単に探知できる
イージス艦としてこの艦は最も優秀であり、宇宙には人工衛星が存在している
もちろん『彼ら』には人工衛星のことは開示できるはずがない機密情報だ
もしその情報が漏れたら俺たちの置かれる立場がかなり危険になるだけではない
俺の存在が『存在しないはずの人間』ということが発覚する
『精霊』さん達の存在についても難しい判断に迫られる
情報漏洩には細心の注意が絶対条件だ
「900m以上離れている。その潜水艦から魚雷が発射されることを警戒しろ」
魚雷を運用する時には起爆させても安全でなければならない
もし接近しすぎると魚雷の爆発で巻き沿いになる
900mというのは魚雷が起爆する際に必要な距離だ
起爆に間に合わない距離で魚雷攻撃をするのは自殺行為
つまりもし魚雷攻撃が開始された時に起爆に間に合わない距離でいれば、攻撃することが難しい
完全に安全という保証があるわけではないが